介護初心者の第一歩をお助け!「親の介護」にあるとちょっと便利なアイテムを紹介

「そろそろ親の介護を心配する頃合いかも……」

「親の介護を始めたけどどうも上手くいかない……」

“親の介護”が身近になってくるにしたがって、こんな不安が頭をよぎることはありませんか?

何から始めたらいいのか、何が最初に必要なのか、なぜ上手くいかないのか……。介護に不慣れなうちは、こういった悩みも多いと思います。介護について教えてもらえる機会は意外と少なく、一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。

そこで、知っておくとちょっと役に立つ、介護の第一歩をお助けするアイテムや介護の負担を減らす工夫を紹介します。

とりあえずこれがあってよかった!9選

まずはこれから介護を始める方に向けて、最初に揃えたいアイテムを紹介します。

介護初期の段階では立ったり座ったりが自力でできるケースが多く、少しのサポートで毎日の生活を楽にすることができます。

気をつけたいのは「転倒リスク」。

転倒による骨折は骨が脆くなったシニアの方にとって治りにくく、寝たきりの原因にもなることがあるため、介護の初期段階では特に注意したいポイントです。

①履きやすい靴

履きやすい靴選びのポイントとして、スリッポンやマジックテープで脱ぎ履きできる靴がオススメです。

脱ぎ履きしづらい靴紐のある靴は、結ぶのも解くのも大変です。靴を履くのが億劫になってしまうと、外に出かける意欲もなくなってしまうかも。特にスリッポンはおしゃれなデザインも多く、親御さんと一緒に選んでみても楽しいかもしれませんね。

②脱ぎ着しやすい服

特に前開きになっている服がオススメです。親御さんも自力で着やすく、また着せてあげる時もボタンを留めるだけなので楽ちんです。頭から被る形の服などは、腕の上がりにくくなったシニアの方に着せてあげるには少し大変かもしれません。

③軽い食器、滑り止め付き食器

年を重ねるとどうしても持つ力や掴む力が弱くなります。プラスチック製の軽い食器やお椀を使えば、食事の際の小さな不満を解消することができます。

滑り止め付き食器とは、器の外側の底に滑り止めのついた食器のことを指します。これを使えば、お椀を持ち上げる力がなくても机に置いたまま、スプーンで掬って食べることができます。

④立ち上がり補助手すり

シニアの方はひとりで立ち上がるのにも手助けが必要なこともあります。そんなときに補助手すりがあれば毎回の介護を減らすことができ、親御さんも自分のことは自分でできるという自信につながります。

⑤大人用からだふき

大人用からだふきは、いわゆる赤ちゃんのおしりふきを大きく厚手にしたものです。親御さんが風邪や怪我などでお風呂に入れない時、お風呂に入れてあげるのはかなりの重労働です。そんなときこれがあれば、身体を拭くだけで清潔さ、衛生面を保つことができます。

次に、現在介護をされている方に向けて、負担を軽減してくれるアイテムを紹介します。

介護はなかなか人に教わる機会のないもの。

いざ始めてみると、不安と心配から親御さんの行動に手を出しすぎてしまって、お互いに疲れてしまうこともあります。

次に紹介するアイテムを使用すれば、そのような悩みが解消できるかもしれません。

⑥紙パンツ

夜寝るときや外出時だけでも使うと、トイレの心配をしなくて済むようになるため、グッとストレスが減ります。初めは「紙おむつなんて……」と抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、今の紙パンツはニオイや漏れなどもなく、服の上から見ても普通のパンツと変わらない見た目をしています。親御さんがトイレに一人で行けるようになるのを手助けしてくれること間違いなしです。

⑦お風呂の滑り止め、手すり

お風呂での転倒は怖いですよね。お風呂の滑り止めは手軽にバスマットのように床に敷けるものを選ぶと乾かしやすく衛生的でオススメです。裏に吸盤などの滑り止めがついているものだとより転倒を防ぐことができるでしょう。

お風呂の手すりは浴槽縁に取り付けるタイプなどがあり、浴槽に入る際や浴室内を歩くときの補助をしてくれます。親御さんがお風呂に入る際、大活躍してくれるでしょう。

⑧段差カバー

段差カバーはお家の中でのつまずきを防止するために、段差を埋めてくれて小さなスロープにしてくれるものです。置くだけで設置完了するものもあるので、手軽にお家での事故を防いでくれます。

⑨ステッキ

外出時、ステッキという支えがあると歩行が楽になります。初めてステッキを使うという方には、長さを調節できる軽いもの(アルミ製やカーボン製)を選ぶのがオススメ。歩行に不安のある方は、杖先が4点になっているものを選ぶとより安定します。

介護用品を選ぶときのコツとは?

こういった介護用品を選ぶとき、大事なのは「使う本人の抵抗の少ないものを選ぶこと」です。介護が必要だといっても相手は一人の人間であり、意志があります。どんなに便利な介護用品でも、それが本人にとって抵抗の大きいものなら使うたびストレスが溜まり、結果的には介護者との関係を悪化させることにもなりかねません。そのため、本人だけでなく「介護者の負担を減らせる」という点も重要になってきます。介護は数年、数十年単位で付き合っていくものです。できる限りのことをしてあげたい、という気持ちはもちろん大切ですが、長期的に考えれば常に全力を出し続けることが正しいとは言えません。自分の生活と介護を両立させるには、周りの人やアイテムに頼ることが大切です。介護がラクになるツールがあれば、上手く活用していきましょう。

また、介護用品は「軽くて丈夫なものを選ぶ」というのも重要です。年をとってくると力が弱くなり、持ったり、つかんだりするのにも一苦労します。生活を助ける介護なのにかえって生活のストレスになったり、怪我の原因になったりしては元も子もありませんよね。大事なことはたくさんありますが、何よりも大事なのは介護する側も、される側も毎日がラクで楽しいことです。介護用品選びでは、それを重視して選んでいくことがコツの一つです。少しの工夫で介護はずっと楽なものになるでしょう。

介護を「ラク」にするためには?

ここまで介護をラクにする「アイテム」を紹介してきました。しかしアイテムに頼るだけではどうしようもないときもあります。そんなときはきっと、周りの人やヘルパーさんに頼ることもあるでしょう。急に誰かに介護を頼むことになったとき、これさえあれば自分も頼まれた人も安心して介護ができる。そんなアイテムをチェックリストにしてまとめてみました。

これがあったら頼みやすい!ヘルパーさんも困らないチェックリスト

□保険証・お薬手帳ケース

保険証やお薬手帳、病院の診察券などをまとめてしまっておけるケースです。最近は100円ショップにもおいてあることがあります。通院の付き添いを誰かに頼むときに一つにまとまっていると、探す手間が省け、病院でもスムーズに診察を受けることができます。

□1ヶ月分の薬を管理できるお薬ケース

1ヶ月のカレンダーのようになっていて日付の番号のところにお薬をしまっておけるケースです。これがあるとその日お薬の飲み忘れがないか一目でわかるようになります。誰から見ても飲んだかどうかがわかるので、ヘルパーさんはもちろんご本人も安心ですね。

□配線不要コードレスチャイム

おうちで使えるナースコールです。用事があるときに押してもらうようにすれば、ずっとそばにいなくても安心できます。介護を誰かに任せているときも、親御さんが自分で押して用を知らせてくれるので、介護する人も楽になります。

□人感センサーチャイム

玄関や部屋のドアの前に設置して、人が通ると音を鳴らして知らせてくれるチャイムです。認知症などで知らない間に出かけて行ってしまうのを防ぎます。音はドアから離れたところで鳴るので、違う部屋などの離れた場所にいても安心です。

その他、あると便利なもの

□集音器(補聴器)

目で見て使い方がわかる、リモコンがついているものが良いと思います。小さなものだと合う合わないや、使い方がわからないなどがあるかもしれないので、親御さんが使いやすいものを選びましょう。

□排尿検知器

オムツの濡れを服の上から調べることができるアイテムです。オムツを変えようとしたけどまだ排泄していなかった、という事態は介護される側もする側にもストレスになるもの。そんな事態を未然に防いでくれるアイテムです。

□蛇口レバー

手で握ってひねるタイプの蛇口を、レバーでひねりやすい蛇口に変えてくれるアイテムです。握ってひねるタイプの蛇口はシニアの方には固くて回しづらいことが多いです。手軽に水を出しやすくしてくれるアイテムです。

□ドアノブレバー

蛇口レバーと同じく、手で握るドアノブをレバー式のドアノブに変えてくれるものです。昔ながらのドアにはこのドアノブが多いので、シニアの方でも開けやすいドアノブに変えると日常のストレスが軽減されるかもしれません。

介護の負担を減らす工夫とは?

介護の負担を減らしていくためにしていきたい工夫は大きく分けて三つあります。

一つ目は、アイテムを設置・利用することで減らせる負担はアイテムに頼ることです。例えば、立ち上がりの補助。これは介護の初期に頻繁に起こる介護です。一回一回の介護にかかる労力は大したことがないかもしれませんが、これが毎日、それも頻繁に起こるとかなり大きな負担になります。

ですが、この負担は補助のための手すりを設置することでなくすことができます。また、親御さんも自分の力だけで立ち座りができるようになるため、気軽に家の中を歩き回ることができ、座ったままの姿勢でいることの防止にもつながります。シニアの方の中には毎回の立ち上がりで介護されることによって、介護者の手を煩わせることを申し訳なく思う方もいらっしゃると思います。自分の力だけでできるということは、介護される側のストレスを軽減することにもつながるのです。

手すりというアイテムを設置しただけでお互いにいいことがある。そんなアイテムは他にもたくさんあります。

自分の環境に合わせて、使えるものはどんどん使っていきましょう!

二つ目は、周りからのサポートを受けやすい状態を作っておくということです。例えば、ヘルパーさんにおうちでの介護を任せたとき、親御さんが普段飲んでいる薬の場所や、いつどれを飲むかなど全てを伝えておくことは難しいと思います。ですが、それが一つの場所にわかりやすくまとめて置いてあったら、薬の飲み忘れを防ぐことができます。また、もしへルパーさんの介護中に親御さんの体調が悪くなり、急に病院にいくことになったとします。そのときかかりつけ医の診察券や保険証が一つにまとまっていたら、迷わずすぐに病院に行くことができます。

このように、誰がその場で介護をしても適切な介護ができる、そんな環境だと周りの人も安心して介護を引き受けることができます。

周りからのサポートを受けやすい体制を作っておきましょう。

最後の工夫は、親御さんが自力でできることは本人に任せるということです。介護されるという経験は親御さんにとってもきっと初めてのはず。今まで一人でできていたことができなくなり誰かに頼らざるを得なくなるのは、自信をなくしてしまうきっかけにもなります。

自分のことは自分でできる、ということはそれだけで自信につながります。介護も、初めから全部やってあげるものではなく、あくまで初めはサポートに徹して、背負い過ぎず、頼れるところには頼る。それが、お互い楽しく毎日を送っていく工夫の一つです。

ここまで介護にあると便利なアイテムをたくさん紹介してきました。

初めての介護が「ラク」で「楽しい」ものになりますように。

ここで紹介したアイテムや小さなコツが、介護の第一歩をお助けできたなら幸いです。

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介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

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