離れて暮らす親の見守りをIT化!事例やポイント、おすすめ機器を紹介

医療の現場でもインターネットやスマートフォンの活用が普及しつつある今。遠く離れた親の介護にもこれらを取り入れたら、もっと便利になるんじゃないか。

そう考えたことはありませんか?

気軽に会いに行けない距離に住んでいる、近くに住んでいても時間が合わず顔を合わせることが少ないといった悩みは、ITを使うことで解決できるかもしれません。そこで今回は、実際にIT技術を使った見守りがどのようなものになるのか紹介していきたいと思います。

親の実家をIT化し、遠距離介護を実現した事例

まず、実際にIoTやIT等の最新デバイスの助けを借りて、遠距離介護を行なっている方のケースを紹介します。

【ケース1】
70代後半で1人暮らしをする母親。そんな母親が心配で、海外に住む娘が母親の元に介護用ロボットを導入しました。デイサービスから帰宅しても自宅に誰もいないことを寂しいと言っていた母親ですが、導入したロボットは自律走行し動き回ることができたり、母親と目が合うと寄ってきたりしてくれます。また、ロボットの充電は、自らが充電ステーションに移動して充電するため電池切れになる心配もありません。

ロボットの頭部には360度見渡せるカメラが付いていて、娘は海外からでも安心して母親や家の様子を見守ることができるようになりました。

【ケース2】
離れて暮らす80代の両親。2人は今までデイサービスやヘルパーを利用しながら暮らしていましたが、2人とも少し認知症が始まり徘徊するようになっていました。そこで心配した娘が実家にタブレットとカメラを設置しました。

娘はタブレットを通して両親の様子を見ながら話しかけることができます。録画ができるカメラは玄関に設置して、両親が徘徊していることが分かると、サービスを契約している介護スタッフに連絡をし、探しに行ってもらうようにしました。遠く離れていても様子を見守ることができるのでお互いに安心して暮らせるようになりました。

この実例のように、遠く離れた場所からでも最新デバイスの助けを借りて、見守り介護を実現されているケースも増えてきています

実家のIT化を進める前にまずやりたい3つのこと

では、介護のIT化を実現させるためにはまず何をしなければならないのでしょうか?
ITでの見守りを検討する際にまずやりたいことは、

・Wi-Fi環境が必要かどうか考える
・使うIT機器の下調べ
・親にIT化に慣れてもらう

この3点です。

まず、「Wi-Fi環境が必要かどうか考える」についてです。実例で紹介したIT機器を充分に使うためにはWi-Fi環境は必須ですが、ここまでの見守りを必要としない、もっと手軽な見守りで良いという方にはWi-Fiは必ずしも必要とはいえないでしょう。
ここでは見守りの程度と距離感別に準備した方が良い道具とインターネット環境を紹介します。

【頻繁に会いに行ける】
・徘徊防止センサー
・電気がついたら教えてくれる電球など
◇近居などで特に見守りが必要なければ、インターネット回線がなくても問題はないと思います。ですが、長期的に考えて今後スマホを利用する可能性があるなどの場合、インターネット回線があるに越したことはないでしょう。

【あまり顔を見に行けない】
・Echo Show
・LOVOTなどカメラ付きの道具
◇カメラ付きの機器などでしっかりとした見守りを必要とする場合、インターネット環境が必要です。携帯電話販売各社から発売されている格安のルーターや外出時でも使えるポケットWi-Fiなら、工事不要で届いたその日から簡単に使えます。費用も月額3000〜5000円ほどで契約可能で、契約会社によってはもっと安い場合もあります。ポケットWi-Fiの場合、契約によっては通信量(インターネットを使える量)が決まっている場合があるので注意が必要です。導入後の初期設定は、高齢者には難しい場合があるので、代わりに設定してあげるか業者の人にあらかじめ頼んでおくなどの配慮が必要かも知れません。

次に「使うIT機器の下調べ」についてです。見守りの機器を選ぶ際に、「親自身が何も操作しなくて良い」道具を選んであげることはとても重要なことです。IT機器に不慣れな人にとっては、ボタンひとつの操作すら億劫に感じてしまうこともあります。導入する機器をあらかじめよく調べておき、できる限り親自身の操作が少ないものを選びましょう。また使い始めてから親から使い方などを質問されることもあると思います。そんな時、離れていてもすぐに答えてサポートできる体制を作っておくことも大事です。

最後に「親にIT化に慣れてもらう」についてです。IT機器に不慣れな親世代にとっては、スマホで電話をかけることすら操作がおぼつかないことがあります。そのような状況でIT化を進めるには、事前に親が少しでもIT機器に慣れているに越したことはありません。スマホが身近にあるのなら、起動するだけで操作が終わるような簡単なアプリから少しずつ慣れてもらうのもいいでしょう。スマホが身近になくても、安価なタブレット端末をプレゼントするなどして、液晶画面での操作やIT機器の使い方に親しんでもらうのも一つの手です。

親の見守りにおすすめのIT機器5選

①Echo Show

・インターネット環境:必要
Amazonから発売されている「Echo Show」シリーズ。大きな画面が付いているのが特徴で、設置して登録するだけで通話が可能です。
高齢者はこういったIT機器に疎いことが多いですが、Echo Showは子ども側から通話をかけると高齢者の方が何も操作をしなくても自動的に通話がつながり、大きな画面にビデオ通話の映像が映し出されます。
一方的な通話であることによって時間が合わなくても生存確認や元気かどうかを確かめることができます。
新たな操作を覚えなくていいのは高齢者にとっても良い点です。

②LOVOT

・インターネット環境:見守り機能を使う場合は必要(ペットとしての機能だけなら不要)
LOVOTは機械でできたペットのようなもので、よく構ってくれた人に懐き、搭載されたカメラで離れて暮らす家族に写真や動画で様子を教えてくれます。カメラだけでなく、抱き上げられた数、触れられた数なども共有してくれるので、手軽な見守りに適しています。
ペットとしての癒し効果も好評で高齢者の生活に潤いをもたらしてくれます。

③スマートセンサー

・インターネット環境:必要
ドアの開閉があると専用アプリに通知がいくシステム。認知症などの徘徊防止アイテムとしても有効です。カメラだと監視されているようで嫌だと感じる高齢者には手軽に始めやすい見守りです。

④みまもり電池

・スマートフォン(4G回線でも可):必要
・インターネット環境(Wi-Fi):不要
普通の電池(単3)の代わりにリモコンなどに入れて使うことで、その家電が使われたときスマホに通知がくる電池です。見守られる側のスマホアプリにBluetoothで通知が行き、アプリを介して見守る側に連絡がいくと言うシステム。高齢者がスマホを使っているなら手軽に始められ、見守られている側にも「監視」されている感が少ない見守りです。

⑤HelloLight

・インターネット環境:不要
電気の点灯・消灯をメールで教えてくれる電球です。電球内にSIMがついており、点灯・消灯、そのほか長時間の消灯など異変をメールで知らせてくれる機能があります。インターネット環境やスマートフォンが不要で、インターネットを開通していないお家におすすめな見守りです。

IT化で「あたたかく見守る」環境づくりを

普段は離れて暮らしていたり、ヘルパーさんに頼っていたりすると、一人暮らしなどの場合は寂しくなるものです。画面越しでも顔が見られて話ができると、高齢者も子どもの側も安心できます。IT機器というものは高齢者にとってはおそらく未知のものだと思います。使い方を教えるときや、分からなくなってしまったときは何度でも優しく教えてあげましょう。高齢者にとってはタッチパネルで電話を取る事すら難しいこともあります。あらかじめできる設定は子ども側で済ませておき、何か聞かれてもすぐ教えられるように事前に使い方をよく勉強しておきましょう。

紹介したこれらの道具は、必ずしも見守り介護を解決してくれるとは限りません。ですが、見守り介護の現場でIT化を進めて成功した事例が増えてきているのも確かです。まずは無理なく購入して試せるものを使ってみて、使った感触で自分の環境に合ったものを見つけていければ良いのではないでしょうか。

遠くに暮らしていても気遣われている、気にしてもらっていると感じるだけで繋がりを感じられて安心するものです。あたたかく見守ることができる環境を目指して、IT機器を上手く利用していきましょう。

「うちにIT機器なんて……」と遠い存在に思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、今、ITを使った介護はここまで便利になっています。おうちをIT化することは見守りに使えるだけでなく、家族とのコミュニケーションを取る手段にもなり得るのです。

高齢になると新しいものに対しての警戒心が強くなり、IT化をしてもすぐには慣れることができず、うんざりされてしまう方もいるかも知れません。そこを辛抱強くサポートし、何度でも教えてあげることが大切です。
IT化を進めることで日常の見守りがしやすくなり、離れた家族間での話題もきっと増えることでしょう。あたたかい介護を目指して、おうちのIT化を進めてみませんか?

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