海外から親の遠距離介護をするポイントは?インドから日本の介護を行う体験談

遠方に住む親を、離れた場所から介護することを「遠距離介護」といいますが、国をまたいで海外から遠距離介護を行う場合もあります。

親が元気なころに海外在住していた場合でも、月日が経ち年を重ねると親の健康状態が変化し、介護が必要になることもあるでしょう。
キャリアアップし、責任ある役職となり海外に駐在して精力的に働く。その矢先に突然「介護」が訪れるというケースも少なくありません。
海外という遠く離れた地から介護をするとなると、とてもハードルが高く「日本へ帰国しなければならない?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、実は日本国内、海外のどちらからでも「遠距離介護」を行う介護状況はほぼ変わりません。

この記事では実際に、介護保険外サービスでオンラインツールを活用して、海外からの「遠距離介護」を行っている方の実例を通して海外から遠距離介護をする上でのポイントをご紹介します。

実は国内と変わらない、海外遠距離介護の状況

海外で働いている家族が、出身国や故郷にいる高齢の親や家族を遠距離で介護をするケースは増加傾向にあります。これは、グローバル化や移民の増加により、家族が異なる国や地域に分散することが一般的になったためです。

介護が必要な親を、国をまたいだ遠方から介護をすることに後ろめたさを感じてしまう人もいるかもしれませんが、実は国内でも海外であっても介護の状況はあまり変わりはありません。特に現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で医療機関や介護サービス事業者が県境をまたぐ往来を制限している場合もあり、国内の遠距離介護であっても親の暮らす地方へ帰省することが難しいこともあります。(※2023年5月現在)

違いがあるとすれば、時差があることと海外から帰国する際にお金と時間を要することくらいで、離れているのであれば国内も海外もほぼ違いは無く、海外駐在だからといって後ろめたい気持ちを抱く必要はありません

海外遠距離介護の事例紹介

弊社の遠距離介護サービス「わたしの看護師さん」をインドからの遠距離介護でご活用いただいているNさんご家族。実際どのようにサービスをご利用いただいているのか紹介します。

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ご両親:90代
Nさん:仕事の都合でインドに在住
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新型コロナウイルス感染症対策が落ち着き、以前と比べると国内外の行き来はしやすくなってきましたが、万が一感染していた状態で接触してしまうと、介護サービスの提供がストップすることも。そのため高齢者が多い介護現場や医療関係者は海外からの来訪者を嫌がる傾向があります。

Nさんは、「わたしの看護師さん」を利用する前からヘルパーは週2回利用していましたが、介護保険内での利用となるため、両親の状況や様子の報告はありませんでした。そのため、両親がどんなサービスを受けているかも分からず「せっかく介護の専門家が行くんだったら様子を聞かせてくれたらいいのに……」と感じていました。

両親と電話はしていたけれど、顔が見えず孫の顔も見せられないことを残念に感じていたNさん。「zoomがいいんじゃないか?」と思いついたけれど、高齢者がzoomを設定することや使いこなすことは難しいかもしれない……と、導入になかなか踏み出せずにいました。

リモートのシステムの設定や両親の側で使用の手伝いをしてくれて、あわせて体調も確認してもらえると助かると考えていたときに「わたしの看護師さん」のホームページが目に留まったのです。その記事の内容は、国内での遠距離介護をzoomで繋いで家族が会話をしているというものでした。そのときに「海外からの遠距離介護にも使えるんじゃないか、一度試してみたい」と思い、ビジターで「わたしの看護師さん」を初めて利用しました。

「わたしの看護師さん」では、両親の健康状態を確認することとzoom環境を整えることを同時にしてくれるため、今まで不安に感じていたことが解消されました。

両親もテレビ電話を楽しんでいるようで、孫とニコニコしながら話しているやり取りを見ているとzoomを導入して本当に良かったと感じます。

また、zoom導入とは別に両親を介護事業者の方と繋ぎたいという気持ちもありました。
看護師など外部の人が自宅に来るというイメージが湧かなかった両親ですが、体調が悪くなったときに頼れる外部の看護師がいるということを伝えることができました。

両親は現在元気に過ごしていますが、今後受診が必要になれば本格的にサービスを利用したいと考えていて、今回のパソコン設置などの利用をきっかけに相談しやすい環境が作れたと安心しています。

zoomを利用して海外在住のNさんご家族と会話されているご両親

海外からの遠距離介護のポイント

国内外どちらの場合でも「遠距離介護」を安心して行うためには、いくつかポイントがあります。

介護サービスを利用する

親の住む地域の在宅介護サービスを利用することで、専門の介護スタッフによるサポートを受けることができます。定期的な訪問介護やホームヘルパーによる日常生活のサポート、現地の介護施設に入所すると高齢者のケアを専門的なスタッフに任せることができます。
また、遠距離介護では頻繁に親の元へ行くことが難しいため、信頼できるケアマネージャーを見つけることも重要です。ケアマネージャーに相談し、介護保険サービスや施設の利用方法を確認することで、適切なサポートを受けることができるでしょう。
また、今回の事例のように、介護保険サービスでは補えないパソコンの設定や体調の報告、病院付き添いなどには介護保険外サービスを利用すると安心して遠距離介護を行うことができます。

オンライン環境を整える

遠距離介護において、画面越しで顔を確認できるテレビ電話は大変便利なツールです。

子どもに心配をかけたくないという気持ちや認知症の影響で、体調の異変を周りに伝えることができず、介護が必要な状況になってから異変に気が付くというケースも珍しくありません。しかし、日常的にテレビ電話をしていると、親のいつもと違う様子にも気が付くことができます。

最近ではテレビ電話の設置サービスを行う業者も増えています。ただし、設置のみのサービスとなるので、その後親がひとりでもテレビ電話を繋げることができるか確認する必要があるでしょう。

家族への愛情表現をサポート

新型コロナウイルス感染症により、介護現場も大きく変わりました。介護施設に入居しても、利用者同士の部屋の行き来は禁止され、交流の場があまりないというのが現状です。

介護士さんも忙しいため、1人の部屋に長時間いることもできません。ご飯以外は一人ぼっちで過ごしている親を心配して「コミュニケーションを取るのは子どもの仕事なんじゃないか」と、施設の部屋にテレビ電話を設置することを依頼される方もいます。

しかし、高齢の方は普段デジタル機器を使う機会が少ない世代です。私たちがいるときにテレビ電話を繋ぐことができても、一度切ってしまうとご本人だけで再び繋げることは難しいという場合も少なくありません

「わたしの看護師さん」では、受診付き添いと一緒にテレビ電話を繋ぐお手伝いもしています。遠方に暮らす親と子を繋ぎ、愛情を表現する手段としてオンラインでのコミュニケーションをコーディネートしています

介護をすべて巻き取るのではなく、家族のサポートが難しい部分は任せていただき「親と話がしたい」といったコミュニケーションや親孝行など、家族が得意な部分は伴走できたらと思います。

このようにオンラインシステムを導入している介護保険外サービスを上手く活用すれば、国内外問わず遠距離での介護は可能です。
物理的な距離は離れていても、心はいつでも近くにいれるよう「わたしの看護師さん」はサポートさせていただきます。

※新型コロナウイルス感染症の状況は2023年5月のものです。

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介護にまつわる悩みやお願いごとは、「わたしの看護師さん」にご相談ください。

介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。

「わたしの看護師さん」は、東京・愛知・大阪・兵庫・鳥取・島根・広島・長崎など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。

「介護に関するお役立ち情報」を随時更新しています。ぜひ介護のお困りごとの参考にご覧ください。

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