付き添いサービスという新しい選択肢〜高齢者が安心して冠婚葬祭へ出席するために〜

「介護中の親を、孫の結婚式に出席させたいけれど、常に介助が必要になるから無理かな」「遠距離介護中で、高齢の親の冠婚葬祭の付き添いが難しい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。結婚式などのライフイベントは、家族揃って出席したいですよね。

とはいえ、普段家族で介護をしていたとしても、いつも通りの介助は難しいことが予想されます。また結婚式の際、家族の方が介助に手を取られることで、式を楽しめなかったという事態は避けたいところ。

そこで今回の記事では、介護中の親が冠婚葬祭などに出席できるようにサポートする、付き添いサービスについてご紹介します。介護や医療のプロが介助することで、家族の負担を軽減でき、ライフイベントに安心して参加することができます。

介護中の親の出席を諦めてしまう前に、ぜひこちらの記事をご覧ください。

付き添いサービスとは

医療措置、介護が必要な方など、一人での外出が困難な方をサポートするサービスです。
介護保険サービスが適用になる場合と、介護保険外サービスに該当する場合とがあります。

介護保険サービスの概要

介護保険制度の中のサービスで、40歳以上で日本の公的医療保険に加入している方が被保険者となります。65歳以上の方は第1号被保険者、40歳から64歳までの公的医療保険に加入している方は第2号被保険者に分類されます。第1号被保険者は要介護認定を受けることで介護保険サービスを利用できますが、第2号被保険者は特定疾病により要介護状態となった場合に限り利用できます。

サービスを利用するためには、各自治体の窓口に要介護認定の申請を行い、要支援・要介護の認定を受けなければなりません。

介護認定について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
要介護認定とは?介護保険サービスを利用するためにまずは申請を〜申請方法をご紹介

介護保険サービスで利用できる付き添いの例

・通院等乗降介助(原則として病院内の介助を除く)
要介護者である利用者に対して、自宅から病院に向かうための準備と、車両への乗車又は降車の介助を行います。また医療機関の受診などの手続き、移動をサポートします。
・日用品の買い物
・選挙の投票

介護保険外サービスとは

介護保険サービスで提供できないサービスを受けることができます。介護認定を受けている、受けていないに関わらず利用可能です。ただし、介護保険の適用外になるため、全額自費負担になります。市区町村、民間企業などが運営を行っており、それぞれサービスの内容、利用料金が異なります。

介護保険外サービスになる付き添いの例

日常生活で必要性が認められないもの、日常生活の援助の範囲を超えるサービスに関しては、介護保険外サービスになります。
・診察や会計などの待ち時間の付き添い
・日用品以外の買い物、外食
・趣味嗜好にかかわるもの(コンサート、ドライブなど)
・冠婚葬祭への出席
・地域行事への参加

付き添いサービス利用時、介護者が事前に確認しておくべき5つのポイント

遠距離介護中などで、付き添いサービスを利用する際、事前に確認しておくとよい5つのポイントをご紹介します。スタッフと情報を共有しておくことで、当日の対応がスムーズに進みます。ご家族だけで付き添う場合の参考にもなさってください。

1.自宅や施設から会場までの移動手段

タクシーで移動する場合、車種によっては車いすの積み込みができないことがあります。予約時に、車いすのサイズを伝えておくことが重要です。公共交通機関を利用する際、あらかじめ要介護者の状態を伝えることで、乗降のサポートが依頼できます。事前に確認、予約を済ませておきましょう。

2.事前の会場の確認

会場のバリアフリー情報を把握しておくことも大切なポイントです。車いすの貸し出し、多目的トイレの有無、会場内の段差や階段について確認しておきましょう。座席の位置も可能であれば移動しやすい場所がベストです。急な体調の変化に備え、横になって休める部屋を確保しておくと安心です。

3.食事の確認

医師からの指示やアレルギーなどにより食事の制限がある場合は、会場にて対応が可能か確認することが大切です。遠距離介護中の方は、日頃の食事の状況をチェックしてください。飲み込みが悪くなっている場合は、誤嚥予防のために、食べやすいメニューへの変更を相談してみましょう。

4.持ち物

眼鏡や補聴器、義歯など、普段使用しているものは忘れずに準備しましょう。毎食後に薬を服用している場合は、必ず持参してください。オムツやパットなどの介護用品の備えも必要です。流せるタイプのお尻拭きや、替えの下着やズボンがあると安心です。会場内は、冷房や外気温によって冷え込むこともあります。ひざ掛けを準備しておくとよいでしょう。

5.服装

介護が必要な方が冠婚葬祭に出席する際、トイレのことが一番心配だと思います。おすすめは、ウエストがゴム仕様になっていて、スムーズに脱ぎ着ができるパンツスタイルです。女性高齢者にもパンツスタイルはおすすめ。靴下やひざ下丈のストッキングを合わせれば、トイレの際もズボンと下着の上げ下げのみで済みます。

車いすの場合は、長時間座ることになるため、リラックスして過ごせる服装がベストです。

付き添いサービスの内容

準備を重ねても、家族だけでの介助に不安を感じる方もいらっしゃると思います。また遠距離介護中の方は、付き添うための帰省費用も高額になります。その場合は、プロのサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

プロのサービスを利用するメリット

結婚式の場合、介護を行う家族もドレスや着物を着用しているため、サポートが難しくなることも予想されます。介護や医療のプロに同行してもらい、要介護者の様子に目を配ってもらうことで、付き添いのご家族の負担は軽くなります。また急な体調の変化が起きた場合も、プロが対応してくれるため慌てずに済みます。

主なサービス内容

主に提供されるサービスは、次の3つです。各社によって内容は異なるため、事前に確認を行いましょう。

1.自宅から会場までの送迎
自宅または施設などの指定された場所から会場まで、スタッフが同行します。

2.会場内の移動のサポート
到着後、会場までの移動、会場内の移動をサポートします。介護のプロが付き添うため、階段や段差での転倒を予防できます。

3.食事やトイレの介助
式の間の飲食やトイレの介助を行います。お薬を飲まれる方は、服薬のお手伝いをします。

弊社「わたしの看護師さん」では、冠婚葬祭の付き添いをはじめ、さまざまなシーンでの付き添いサービスをご提供しています。スタッフ全員が医療、看護資格を持っているため、安心してサポートをお任せいただけます。

私の義理の妹が結婚式を挙げた際、祖母は車いすに乗って出席していました。おばあちゃん子だった孫の晴れ姿を見て、とても喜んでいた姿が今も思い出されます。

「孫の晴れ姿を見届けたい」「大切な方に感謝とお別れの言葉を伝えたい」そう思っていても、介護中で家族に迷惑をかけたくないと思っている親御さんも多いと思います。また、遠距離介護が増える中で、外出時の付き添いが難しいケースも増えているように感じます。

家族だけの介助に不安がある場合は、付き添いサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。プロの手を借りることで、大切なライフイベントに、介護中の親も家族も安心して参加することができます。特別な一日を家族で過ごすために、付き添いサービスという新しい選択肢をぜひ活用してみてください。

介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。

「わたしの看護師さん」は、東京・愛知・大阪・兵庫・鳥取・島根・広島・長崎など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。

「介護に関するお役立ち情報」を随時更新しています。ぜひ介護のお困りごとの参考にご覧ください。

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