施設に入居されている男性高齢者様。
毎晩毎晩、情緒不安定になりここ2カ月以上も夜中に大声で助けを呼ぶという。
もともと個室にお住まいで、静かに読書を好まれていた。
認知症と不安症と両膝の痛みを持たれ、自力では歩けない方だった。
「助けてくださーい。お母さーん。
助けてくださーい。神様ー。仏様ー。
助けてくださーい。誰かー。」
幼子ならまだしも、80歳を過ぎた男性が母親に助けて欲しいと叫ぶことは余程のことに違いない。
昼夜問わずに叫ばれているモニター録画を見て、非常に辛い気持ちになった。
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ここで、考えなければならないのは、
何故人を呼びたいのか。
持病の膝の痛みが我慢できないのか。
持病の精神病が悪化しているのか。
他に悩みがあるのか。
昼夜逆転しているのではないか。
心穏やかに入眠できる環境になっているのか。
まず、膝の痛みは関節からくるものか、精神的な思い込みからくるものかを確認するために整形外科および神経内科を受診した。
次に、精神科において複合的に判断および、男性の思いを傾聴してアセスメントした結果、
夜は集中的に睡眠がとれるように軽めの睡眠導入剤を処方していただいた。
最後に・・・・、
心穏やかに過ごせる環境づくりができているか。
残念ながら、寝室の明かりは24時間明々ついていた。
夜中に頻繁にあるコールに、部屋に駆けつけてすぐに対応できるようにというつもりなのだろうか。
厚生労働省の「快眠と生活習慣」の文献でも、夜間の室内の明るさは体内時計を遅らせてしまうと記されている。
私自身がICU勤務をしているころ、病室の室内灯を明るいまま設定し勤務していた。
緊急事態に備えることと、顔色などすぐに判断して異常の早期発見ができると思っていたからだった。
ところが、先輩に「あなたは夜中も明るく、騒がしい環境で寝ることができるのか」と叱られてしまった。
確かに・・・・、医療者側の一方的な自己都合で患者様の生活を狂わしてしまう。
いくら医療現場と言えども(今回は介護現場)、私たちはマズロー欲求における生理的欲求と安全の欲求が満たされるような配慮が必要である。
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この高齢男性が睡眠導入剤を内服し始めてからの夜の睡眠状況、日中の活動量の増減などなどの情報を入手しつつ、医師に報告をすること。
そして、次回の受診までの療養生活についての指示を施設やご家族に伝言すること。
ご家族が施設に要望出しづらい夜間の環境設定について、第三者的な立ち位置から施設に改善を要望すること。
適切なタイミングで適切な医療や介護を受けることが、高齢者はもちろんのこと、ご家族にとっても幸せであると確信している。
今までは家族がやってきたことを、
私たち専門家が忙しい現役世代のご家族に代わって対応していく。
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