「いいかげんにして欲しい!!」
それは、夫の介護に疲れた妻からの相談の第一声でした。
仕事に加え、夫や姑の介護と家事や孫のお世話・・・・、彼女は一人で全てを抱え込んでいました。
長く闘病生活を送っている夫の自己中心的な行動に付き合えなくなり、
「この人、まだ生きるんだ。いい加減にして、さっさと死んでほしい。」
と、思ったそうです。
彼女を追い込んだ原因は、今、目の前にある介護疲れだけではありませんでした。
日頃から夫からの労いの言葉をかけてもらえないことから始まり、大事なことを相談せずに勝手に治療方針を決めたり、不動産を処分したり、妻よりも姑を最優先にすることなどに、苛立ちを感じ続けていたのだそうです。
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わたし自身は起業して6年以上、多くの介護や看病をする家族の様子を見てきましたが、
介護をする側が「介護で家族関係が崩れた」とか、
介護を受ける側が「家族に求めたい理想の介護像と違う」と、
落胆している源には、介護が始まる以前の家族関係にあると考えるようになりました。
親孝行、そして夫婦間の最終的な感謝の気持ちを示す場所が「介護」であるならば、感謝の気持ちが薄れた状態であると、「介護」には寄り添えないと思うのは当然のことだと感じます。
男女のすれ違いが、夫婦の溝を深める
夫婦カウンセラーでもある、wakarimi代表の高本さんの話によれば、統計上で40-50代は男女ともに幸福度が一番下がる時期です。
その理由は育児・仕事・介護、そして女性は自分自身の体調に不調が出てくる更年期の時期でもあるからです。
そんな状況を男性に理解して欲しい女性と、状況を理解されずイライラしている女性をどう対応したらよいか分からずに遠まきに見ている男性。この状態を放置し続けると夫婦の溝が深まる時期でもあるようです。
『介護で夫婦がもめる原因はここにあった!!プロが語る、介護を夫婦で乗り越えるコツ』ゲスト:wakarimi代表・高本さん
女性側は「状況を見て、わたしの気持ちを察してほしい」という思いが強く、男性側は「話してくれないと、何を考えているか分からない。突然不機嫌になるから扱いづらい」と感じる人が多いと言われています。
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冒頭の相談に来られた女性の話に戻ります。その後、夫に寄り添う介護、後悔しない介護を行うことができるか、話し合いをしました。
結論、今の時点では夫婦の溝を埋めることは難しいため、程よい距離感を持ちつつ介護に関わるということになりました。
・仕事は辞めない。
・趣味も辞めない。
・訪問ヘルパーサービスを活用する。
・入院や検査に伴う保証人になる。
・治療の選択をする場合に立ち会う。
・公的保険で対応難しいところは「わたしの看護師さん」(介護保険適用外サービス)を使う。
・姑の介護の手続きは可能な限り息子である夫が手続きをする。
みなさんは、この話し合いの結果をご覧になってどのように感じられましたか?
何人かに感想をいただきましたが、
「結局のところ、何もしないと言ってるだけじゃない?」と思われる方、
「夫が大変な時期に妻は何やってるんだよ」と腹立たしく感じる方、
「私も家族の介護から自由になりたい」と羨ましく思う方、
感想は十人十色でした。
世の中にはたくさんの価値観、介護観があり、それを支えるたくさんのサービスが存在します。彼女自身が選んだ介護のカタチは、今の彼女にとってはベストな選択だったのだと思います。
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もし、この記事をお読みになった方で、自分の人生の最期はパートナーや家族に傍にいて欲しいし、今の状況を改善する努力をしたいと思われた方へ。
夫婦カウンセラーのwakarimi代表高本さんのセッションを受けてみられませんか♪
対象となる人は30代後半から40代の女性で心身の不調を感じられている方、もしくは最近パートナーとの間に喧嘩が絶えない30代後半から40代の男性。夫婦共にLINEが使え、妻もしくは夫にパートナーと今後うまくやっていきたいという思いがあること。
対象にならなかった方や介護全般について相談をしたい方へ。
とにかく「わたしの看護師さん」の問い合せ窓口へご連絡ください。
心身的なストレスが軽減できる手段を共に考えていきましょう。