介護で夫婦がもめる原因はここにあった! 〜パートナーとの上手な付き合い方〜(2)

前編では夫婦の価値観の違いから始まり、新しいサービス「よりそる」とはどのようなサービスなのかについてお話を進めていきました。相手のことをより理解するために自分は何をするべきなのかを考えさせられたかと思います。今回は、夫婦がより仲良くなるためにはどうすればいいのか、「夫婦円満のコツ」についてお伝えしていきます。

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介護で夫婦がもめる原因はここにあった!! 〜プロが語る、介護をパートナーと乗り越えるコツ〜(1)

この記事の内容は、Youtube配信をもとに記事化しています。

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いい夫婦関係のキーワード、それは「男女は別の生き物」

高本:女性は普通に話しをすればいいじゃないって思うけど、実は男性には照れくささみたいな独特の感覚があることを知っておくと良いと思います。

男性と女性って、同じ人間だし差は無いように思うかもしれないけれど、違う惑星の生き物だと考えた方がいいって言われてるんですよね。例えば、私たちは外国人がお箸を使えなくても腹が立つことはないですよね。男女の隔たりも「同じ仲間なのになんで分からないの」ってなる前に、そもそも違いすぎるってことを理解しておくといいと思います。それこそ「そんな細かく伝えられないよ」ってときでも、「これは言わないと分かんないわ」って納得できるんです。

だから本当は、そこがいい夫婦関係の入口だったりするんですよね。

神戸:そうよね。「介護が原因で夫婦の仲が微妙になりました」とかっていうお問い合わせを受けることもあります。でも実は介護だけが原因ではなくて、夫婦や家族のコミュニケーションっていうところからもう一回見直しましょうっていうことですよね。

高本:そうそう、介護が始まるタイミングっていうのはちょうど夫婦の関係を見直す時期でもあるんです。やっぱりパートナーシップで一番大事なことって、夫婦そのものがいかにいい関係でいられるかを考えることだと思うんですよ。

ところで、子育てでも育メンって言って子どもをすごくかわいがる男性が増えてきてるじゃないですか。でもパートナーシップを考えると、子どもを見るんじゃなくて奥さんを見てあげてくださいっていう話をするんですよね。奥さんが疲れていると思ったら自分が子どもを見て、息抜きする時間を作ってあげたりする。あくまで子どもを見るんじゃなくてパートナーを見てあげて欲しいと思います。だから介護問題でも、一番大切なのはお互いにパートナーを見てあげることなんです。

夫婦円満の秘訣はこまめに吐き出すことと感謝を伝えること

神戸:今までは、男性に対するコメントが多かったんだけど、じゃあ40~50代の女性たちが旦那さんに対してどこを配慮したら上手くいきますか?

高本:とにかく不満事はしょっちゅう吐き出すことですね。ただ、いきなり吐き出すのではなくて、「ちょっと不満があるから聞いて」「ちょっとこれ解決したいから一緒に考えて」っていう風に最初に何をして欲しいかを提示したうえで話をするっていうようなことを意識したいところです。こまめに情報共有をしたり自分の感情がどうなっているかということを発信することは男性と上手に会話する上でとても大事なことです。

また、話をするタイミングも結構重要なんです。例えば、自分が疲れて帰ってきたときに、いきなりうわーって文句言われると、それが自分に対してじゃなくてもしんどいですよね。食後のちょっとホッとしたときとか機嫌が良さそうなときとか、相手のタイミングをきっちり確認して話をするってことはすごく大事です。

神戸:話しやすい雰囲気になるまで我慢ですね。

高本:我慢っていうか、自分が心地よく過ごそうと思ったらやっぱり相手のことも考えてあげるって、それはお互い様ですよね。夫婦って結局は一番近い他人だと思います。なので、本当はパートナーの存在こそ一番気を遣ってあげなきゃいけない対象なんですよ。でもやっぱり、一緒にいる時間が長くなると自分と同じような存在になってくるものです。そうなると、なおさら自分のことを理解してくれてないっていう風に思うとイライラしてしまうっていう、むずかしいところですけどね。

だから男性にも女性にも言ってあげたいんですけど、考え方も違って当然だし、相手のタイミングを見てあげるとか配慮してあげるってことはすごく当然の話で、大切なパートナーというか同士なんですよね。

神戸:いやー奥が深い。夫婦関係の問題は介護にまつわる話でもあったけど、介護が始まってなくてもね。お互い大事なパートナーとの距離感っていうか情報共有だったりそこが大事だということが分かりました。

高本:すごい我慢をする女性の方が多いじゃないですか。旦那さんに「すごい疲れてるからこれ手伝って」っていう風に言えば、相手は手伝ってくれるんです。でも、そこをお願いするっていうことを怠ってしまって、言わずに溜めてしまっているっていうことが結構あります。

「私ばっかりやって不公平だわ」っていう風になって爆発するのはあまりよろしくないと思います。なので、私の場合はちょこちょこお願いごとはしつつ、お願いの仕方だったりやってもらったときには必ずお礼を言うっていうような配慮はするようにはしてます。

やってもらったことには、当たり前のようにありがとうって相手に対して感謝を示すことで夫婦の満足度ってすごく変わってくるんですよね。

当たり前は当たり前じゃない

高本:例えば、男性は女性に対して自分の親の介護をしてくれないっていう不満があるかもしれません。でも、奥さんのことよく見て下さい。仕事や子育てで他の部分は全部ケアしてくれるんです。それって決して当たり前のことじゃないんですよね。みんなできてない方に興味がいくんですけど、減点方式じゃなくて相手がやってることに目を向けてお互いに感謝を示すことがすごく大事だと思います。

夫婦だからってやってもらうことは決して当たり前じゃないんですよね。だからやってもらってることって実はすごいありがたいことなんだな、っていう風に思えば気持ちも変わるんじゃないかなって思います。

神戸:私も介護に疲れた自分を解放するために「わたしの看護師さん」を作りました。私に似たような女性いっぱいいると思っていたけど、あのときに主人とか周りの家族に向かって「こういう風に大変なんだからここは手伝ってほしい」とかきちんと話をすることができていたら、もうちょっとハッピーな介護のやり方ができたかもしれないですね。

高本:正直、誰かに助けてって言ったり感謝を伝えることって結構スキルがいるなって思っていて。私も最初からできたわけじゃなくて、すごく重要だと思ったからこそ訓練をしました。でもほとんどの人ができてないし、そんなこと知らない人って多いんじゃないかなって思うんですよね。だから意外とみんなが当たり前と思ってることを、ちょっと斜めから見ることはすごく大事だと思います。

神戸:トレーニングが必要になってくるんですね。

高本:私のサービスではそのトレーニングができるようになっています。例えば、今一番やってもらって嬉しいことはなんですかみたいな質問を投げかけて、そこに打ち込むとちゃんと相手に届くようになっているんですよ。わざわざ自分が面と向かって伝えることって恥ずかしいなと思っててもちゃんと課題が与えられたり、2人の関係がうまくいくような質問を投げかけて相手に伝えるっていうことが自動でできるようにしているんですよね。

神戸:素敵ですね。日本人向けのシステムになっております。気になる方はよりそるのネットで検索し、QRコードから開いてみてください。

いかがだったでしょうか。この記事は2編にわたってお届けしました。パートナーを思いやる心は夫婦生活をもっと楽しいものにしてくれることが分かりました。日ごろから感謝の気持ちを伝えたりすることなら今すぐ始められると思います。また、なかなか足が止まっているというあなたへ、夫婦の問題でお悩みでしたらぜひ「よりそる」を利用してみてくださいね。

介護にまつわる悩みやお願いごとは、「わたしの看護師さん」にご相談ください。

介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。

「わたしの看護師さん」は、東京・愛知・大阪・兵庫・鳥取・島根・広島・長崎など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。

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