「実家の親が白内障になって手術が必要だと言われた」
「家族が白内障で検査や手術に付き添わなければいけなくなった」
こういった白内障の問題は決して珍しいことではなく、白内障が進行していくと病院への付き添いが必要不可欠となります。
白内障は老化現象の一種で高齢の方が発症することが多い病気です。そのため、高齢の家族が白内障で検査や手術に病院付き添いが必要となり、仕事を休めない、育児があるなどで付き添うことが難しいと悩んでいる方が多くいるのが現状です。
この記事では、そもそも白内障とはどういった病気なのか、手術や検査にはどれくらい付き添いやサポートが必要なのかということを事例も踏まえて解説します。
そもそも白内障とはどんな病気?
白内障は高齢者に多い目の病気で、80歳代ではほぼ100%の有病率になります。
白内障になる原因のほとんどは、加齢により目の中の水晶体と呼ばれる部分が濁ることで起こるもので、高齢者社会である日本ではよくある病気と考えられています。
代表的な症状は、視界が全体的にかすむ・暗く感じる・ぼやけて見えにくい・視力が低下する・光をまぶしく感じるなどですが、手術を受ければ、視力の回復が見込まれる病気です。
治療方法は、病状の進行段階によって異なり、症状が軽度の場合は手術を行わず、点眼治療や内服薬による治療を行います。ただ、薬の使用は白内障の進行を抑えることが目的で、水晶体が透明に戻るわけではありません。症状が進行した場合には、外科的手術を行います。
白内障の手術と病院付き添い
手術は、水晶体の濁りを取り除き、人工の水晶体を移植するものがほとんどです。手術時間は10〜20分ほどで、ほとんど痛みもありません。病院によっては休日を利用して手術を受けることも可能です。
両眼白内障の場合は一度に両眼手術はできず、経過をみながら7〜30日間期間をあけて片眼ずつ手術することになり、その分多くの通院期間を見込む必要があります。
また、手術には日帰り手術と入院手術があり、どちらの手術の場合にも数回通院する必要があります。病院付き添いと手術の流れをご紹介します。
手術前の病院付き添い
日帰り手術、入院手術ともに、手術前の流れは変わりません。
通常、手術1ヶ月前から目の検査や手術の説明などで2〜3回通院します。普段から一人で通院している方は手術前の段階では付き添いは必要ないかと思います。
手術後の病院付き添い
・日帰り手術の場合
手術後は治療した目に眼帯をするため視野が狭くなり、車の運転は厳禁となります。車を運転して通院する必要がある場合は、必ず付き添いが必要となります。また、車での通院以外の方も念の為、付き添いをした方が安心です。
・入院手術の場合
手術後の管理も含めて通常3〜4日間ほど入院します。入院手術の場合も、退院直後の車の運転は危ないので付き添いをしましょう。車の運転は見え方が安定してくる術後1週間程度で可能な場合がほとんどですが、休養期間の目安はありません。
日帰り、入院手術ともに、自宅に戻ってからも、一人暮らしや家族が日中家にいない場合は、家事や食事の補助が必要となることがあります。また、術後は点眼液を3か月ほど続けるため、一人で点眼液を使用することが困難な場合はサポートが必要となるでしょう。
手術後の通院は、 通常の場合、術翌日(日帰り手術の場合)・1週間後・2週間後・1ヶ月後(日帰り手術、入院手術にかかわらず)通院となります。
最近では日帰り手術を実施している病院も多くありますが、高齢者だけの世帯や単身世帯になると、日帰り手術は難しくなります。
家族の手術前後の送迎、手術後の家事の手伝いを受けることができる場合は安心して過ごすことができますが、付き添いが難しく入院手術になることが多くあります。
どのような手術内容にするかは、患者さん本人はもちろん、付き添う家族の負担も考え、しっかり医者と相談して決めて下さいね。

白内障手術の付き添いやサポート事例
このように付き添いが必須となる白内障手術。「わたしの看護師さん」でも過去に白内障の手術をされた高齢女性のお手伝いをしたことがありますのでご紹介します。
高齢女性のAさんはご主人と二人暮らし。ご主人は支えがないと家の中を歩くことも困難でAさんがご主人の介護も担っていました。
ところがAさんは、少し前から視界が見えづらくなったり、かすんで見えたりするため、病院を受診すると白内障と診断されてしまいました。しばらく介護に明け暮れて放置していましたが、いつの間にか症状が進行し、そろそろ手術をしなければ介護も難しくなってきたと悩んでおられました。
ただ、県外で働いて忙しい子どもたちは平日は付き添いや介護は難しいということで、「わたしの看護師さん」のスタッフがお手伝いすることになりました。
まず、手術や手術前の検査で足下が見えづらくなること、場合によっては炊事も難しくなることなどをお伝えしました。そこでAさんに、簡単に調理ができるものを事前に揃えていただき、スムーズに家事のサポートを行うことができました。
また、通院で何度も家を不在にしなければならなくなるAさんの代わりにご主人の介護のお手伝いをし、安心して手術を受けていただくことができました。
このように、白内障の付き添いは手術当日だけではなく、手術前からの検査、点眼液の定期的な使用などが必要になります。本人で通院する、点眼液を使用する、家事をするなどが難しい場合は、長期に渡る病院や自宅での付き添いも必要になります。
「わたしの看護師さん」では、手術前からのサポートを利用される方が多く、事前検査の付き添いや家事のサポートを行っています。
また、通院の多い白内障手術では、日にちを指定して1日のみのご利用も可能です。
最近「わたしの看護師さん」に白内障の相談として多く寄せられることには、
「遠方に住んでいて、日中に仕事を休んで通院に何度も付き添うことが難しい」
「手術後、親が点眼の時間を把握できないので、点眼をするためだけに家に張り付いていなければいけない」
などの付き添う側の悩みです。
このような悩みを抱えている時は、無理せず外の力を頼る事も考えてみてくださいね。
白内障の方の病院付き添いは、普通の病院付き添い+αでしなければいけないことがあったり、長い間通院しなければいけなかったりと付き添う方の負担も大きい病気です。
あまり気負いし過ぎず、頼れるところは頼って、無理のない付き添いを心がけることが大切です。
患者さん本人だけでなく、付き添いをする方も安心して病気と向き合える環境を作っていきましょう。
介護にまつわる悩みやお願いごとは、「わたしの看護師さん」にご相談ください。
介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。
家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。
「わたしの看護師さん」は、東京・愛知・大阪・兵庫・鳥取・島根・広島・長崎など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。
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