親の病院付き添いを上手にやりくりするコツ

「遠くの家族の病院になかなか付き添えない」
「親の通院に付き添うため、仕事をやめることも考えている..」

介護が必要な親御さんの病院付き添いで、困ることはありませんか?

自分の力で病院へ行くことはできても、耳が遠かったり、認知症のために、親御さん一人では診察室内のやり取りができない。そのため、家族の付き添いが必要だという方もいらっしゃると思います。そこで今回は、「家族の出番だ」と言われるがちな病院付き添いについて、具体的なケースとやりくりする方法について紹介します。

病院付き添いとは?

介護が必要な高齢の親など、一人で病院へ通院することが難しい場合に、家族などが通院に同行することを「病院付き添い」といいます。例えば、認知症の方の場合、自分一人では病状についてちゃんと説明できず、医療機関での説明も理解できないことがあるため、家族などまわりの方が病院へ付き添うことがあります。

その他にも、足腰が悪く一人で病院まで行けない場合や、難聴のため病院内での意思の疎通が難しい場合などには、家族やヘルパーが帯同し、病院へ付き添うことになります。

病院付き添いのケース

どんなときに病院への付き添いが必要になるでしょうか?

病院付き添いが必要になるタイミングやケースはさまざまですが、ひとつの例を紹介します。(弊社と関わりのある大学生に、祖母の介護をするお母さんの病院付き添いについて聞いてもらった体験談です)


[病院付き添いにまつわる状況]

・祖母:認知症・介護施設に入居。月数回、総合病院へ受診
・母 :仕事の都合もあり頻繁に休めない
・家族:パートナーである父と母の兄

認知症である祖母は、介護施設に入居しています。通院は月2−3回。病院は専門診療科への受診のため最寄りのかかりつけ医ではなく、5駅離れた総合病院までいく必要があります。

主な介護者は母ですが、仕事の都合もあり、病院の付き添いができる時間が限られています。介護施設の外出許可時間と食い違うことも多々あり、日程調整が大変です。また、居宅から離れた場所に通院しているため、短時間では通うことが出来ません。半日休暇を取るなど、日程調整に苦労しながら祖母を支えている現状があります。

そのため、時間が合わせられないときもあります。そんなときは、パートナーである父や居宅から離れた場所に住んでいる母の兄などが協力して通院を支えています。

しかし、新たな問題が生じます。祖母のことを一番支え、理解しているのは母です。母以外が病院へ付き添う場合、医師の方々と情報のやり取りがうまくいかず、診察に戸惑うことがあります。


病院付き添いで困ること

この事例以外にも、さまざまな病院付き添いのパターンがあります。続いて、病院付き添いにありがちな「4つの困りごと」について紹介します。

①仕事を頻繁に休めず、病院に付き添う予定調整が難しい

上記の例でもあったように、月2回、3回と高い頻度での病院付き添いが必要な場合、自己都合で頻繁に会社を休むことが難しい人も多いのではないでしょうか。また、そもそも家族の病院付き添いが理由で休暇を取るということに対して、会社から理解を得られないという方もいらっしゃると思います。

②病院が遠方のため、診療に時間がかかる(1日がかり)

病院が遠方の場合、また待ち時間が長かったり、複数診療科にかかっている場合は、半日または1日かけて病院付き添いすることも珍しくありません。

加えて、移動や時間が長くなると、他の問題に直面することがあります。例えば、トイレ。要介護者が病院へ向かう途中でトイレに行きたくなり、病院で行う予定だった尿検査ができなくなってしまったり。また、トイレが近いことに気付かず、下着が汚れてしまうといったケースもあります。他にも、長時間の外出に体調を崩してしまう、といった困りごとも。

③まわりの家族を頼れずに自分一人で抱え込んでしまう

自分の家族だからと、つい一人で介護の負担を抱え込んでいないでしょうか。仕事の育児に加えて介護も重なれば、介護をする自分自身が心身ともに疲れ切ってしまったり、リフレッシュするタイミングを失ってしまうこともあります。『わたしがやらなきゃ』『わたししかいない』『頼るのは申し訳ない…』と抱え込んでしまうのも、病院付き添いや介護における困りごとの一つです。

④遠方に住んでいるために頻繁に帰れない

介護が必要な親御さんから、離れた場所で暮らしている。遠距離介護の場合は、病院に付き添いたくてもまとまったお休みが取れなかったり、交通費・滞在費の負担がかかるために頻繁に帰ることができない、という状況もあるでしょう。

また日々の生活を近くから見守ることが出来ないため、急な体調の変化に気付くことが難しくなることも。

病院付き添いをやりくりする鍵

ズバリ、「自分一人で抱え込まない」ことがなによりも大切です。一人で抱え込まなくてもやりくりできるように、大切なことを3つ紹介します。自らの生活と比較しながら、参考にしてみてくださいね。

①ヘルパーを頼る(介護保険の通院介助を使う)

介護保険を利用する場合、介護度によって得られるサービスは変わってきます。一般的には、『決まった曜日、一時間以内に帰ってこれる通院』であれば、介護保険により、ヘルパーに通院介助(病院の外来受付まで)をお願いすることは可能です。

しかし、『ちょっと体調が悪くなったから病院へ行きたい』、などの急な依頼は対応が難しかったり、『医師からの詳しい話を聞いてほしいから診察室まで付き合ってほしい』、『待ち時間の最中にトイレに誘導してほしい』などのご要望は対応できません。入退院、入院中は原則家族が付き添うものとされているため、入院中のサービスについては全額自己負担となります。

介護保険を利用されている場合は、ケアマネジャーさんへ。まだ申請されていない方は、地域包括支援センターへ一度ご相談をしてみてください。

②まわりの家族を頼る

自分一人で抱え込み潰れてしまわないためにも、介護の支援体制について家族と相談しておくことが必要です。さまざまなケースに対応できるように、要介護者の状態について頻繁に情報を共有し、家族全員が、他人事だと思わない環境づくりを行うことが大切です。

③介護保険外サービスを使う

病院付き添いなど、介護保険の制度からこぼれ落ちる介護は「家族がすべき」と考えられていることも多く、一方で遠距離介護や仕事、家事・育児のために「やりたくてもできない」方も多くいらっしゃいます。

そこで家族に代わって介護を提供する「介護保険外サービス」があります。わたしたちが行う「わたしの看護師さん」もその一つ。例えば、

・自宅から診察室まで同行し、医師からの説明を家族に伝える
・冠婚葬祭や入院中の外出まで同行
・医療内容の説明、家族への経過報告まで対象内
・健康や薬をしっかり服用しているかまで定期的にチェック
・終末期の付き添い

など、さまざまな事情で家族に寄り添うことが出来ない方のために「遠距離介護の家族を支える」サービスを提供しています。

その他にも、お住まいのエリアで活動する事業者があるはずです。検索をしてみたり、ケアマネジャーさんに聞いてみて、みなさんに合うサービスを見つけてみてくださいね。

親の高齢化に伴って、避けることはできない病院への通院。

仕事も頻繁に休めない。遠方で時間がつくれない。付き添いたいけど、付き添えない。とお困りの方も多くいらっしゃると思います。

一人で抱えすぎずに、活用できるサービスや機関も使いながら、仕事と介護を両立できる体制を作っていきましょう。これをきっかけに病院付き添いについて考え、活用の幅を広げていただけると幸いです。

介護にまつわる悩みやお願いごとは、「わたしの看護師さん」にご相談ください

介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。

「わたしの看護師さん」は、東京・伊豆・愛知・岐阜・大阪・鳥取・島根・広島など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。

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