高齢者5人に1人が認知症になる?!
平成29年度高齢者白書によると、2025年にはおよそ5人に1人、約700万人が認知症になると言われています。
また、高齢になるにつれ、認知症の割合は増加すると言われており、85歳以上では、55%以上の方が認知症になるというデータもあります。
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)より
認知症の家族と関わることは難しい
「わたしの看護師さん」を利用されるご家族から
「親が認知症になって、何度も何度も同じことを繰り返して言ってくる。
始めは我慢できるけど、途中から我慢できなくて怒鳴りたくなるし、何を話して良いか分からなくなる。
同じ場所に居られないと思う私は親不孝ですか?
介護虐待や事件になってしまうのは、仕方がないと思ってしまう。
看護師さんや、介護士さんは凄いですね。真似ができません。」
そんなご相談を受けることが頻繁にあります。
厚生労働省の調査によると、高齢者に対する虐待は過去最高になりました。
家族・親族間の加害者は、息子が約40%
夫21%、娘17%と続きます。
出所:厚生労働省調査
決して、この方だけが介護で苦しんでいるわけではないのです。
このブログをお読みいただいているご家族の方、心当たりはないですか?
介護うつになりそうだった自分の過去を思い出した
先日、認知症が進行した利用者様を10時間対応しました。
普段は長くても5時間程度ですが、今回は入院手続き、行政手続きをサポートしたため長時間の対応になりました。
「私は今からどこに行くの?
戸締りして出掛けたかしら?
印鑑はどこにしまったかしら?
子どもたちは遠くにいて、仕事で忙しいから帰ってこれないのよ。
看護師さんのお名前はなんですか?
看護師さんはどちらのご出身ですか?」
1分も経たないうちに、同じ質問が繰り返されます。
自分の記憶が定かではないこともうっすら分かっていらっしゃいます。
メモを紙の切れ端に書く、だけどそのメモを片付けた場所が分からない、
探すことに時間がかかる、途中で何を探していたか分からなくなって、
どうしたら良いのか訊ねられます。
訊ねる、説明をするの繰り返し・・・・。
記憶が曖昧なことにショックを受けながら高齢の利用者様は探し物を繰り返されます。
この利用者様に関わった日は全身倦怠感に襲われました。
ただの仕事の疲れではなく、過去に認知症の親戚に関わっていた時のことを思い出したからです。
その当時も同じような話を何度も聞き返されたり、
事実と違うように解釈され、親戚中で騒ぎになったり、
施設から外出したものの、夜になっても戻らないと施設から連絡があったり・・・・。
親戚の介護を終えてから12年ほど経過しました。
それから起業し、認知症の高齢者とのかかわりも随分と上達してきたと思います。
しかし、10時間で自分の感情をコントロールするのは精一杯でした。
仕事と割り切り、専門的な勉強をしている私でも辛いのです。
本当に認知症を抱えた方の介護は大変なのです。
子どもだから、家族の介護を絶対に受け入れなければならないのか?!
地方出身の30代の子ども世代の方から相談がありました。
「世の中に姥捨山があるのなら、教えて欲しい。自分の記憶から消したい時があるんです。」と。
仕事に明け暮れる日々を過ごしていたある日、
突然、故郷の病院から電話があり、父親の癌と母親の認知症を知らされたそうです。
帰省には片道5時間以上かかる道のり、
医師からの病状説明や、入退院の度に帰省されていたそうですが、
仕事も休めず、経済的にも窮屈になったそうです。
それでも病院や施設、ケアマネージャーさんから、
「ご家族さんだから、帰ってきてください。」と、
仕事中に何度も電話が掛かってきて、精神的に苦しくなったという話でした。
遠距離介護ではないにしても、
毎日顔を合わせて、同じ話を聞き続けたり、
近所の施設に入所されていても、24時間片時も忘れることができない家族の介護・・・・。
一瞬でも良いから、介護の重荷を無くしたい時は当然出でくると思います。
現役世代の子どもたちの心と身体を健康に保つためにも、
程よい距離を維持しつつ、高齢者虐待にならないように関わることは大切です。
子どもだからと、家族の介護全てを受け入れなくてもよく、
感謝の気持ちが介護の重荷で潰されないように介護の重荷を無くすような行動をとることは、
親不孝ではないと考えます。
遠距離介護をしている今は気持ちが楽になった
今、実家の父親に見守りと言う介護が必要な状況です。
12年前に終わらせた介護と違い、住んでいる距離が離れているためか、客観的に介護の様子をみることができています。
私の役割は兄弟だけでは理解が難しい介護保険の利用を調整することやネットスーパーで食料品を注文し送ること、
兄弟はそれ以外の見守りをします。
介護のために時間を無理に捻出せず、余裕をもって関わることができる状況は、
家族関係が良好であり続けると感じました。
介護に関する相談や利用相談、お気軽にご連絡ください。
総合受付 電話 0859-30-4856
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