ユニバーサルデザインに注目!高齢者の生活を支える豊富なアイテム

「親が高齢になり、日常生活で手助けが必要な場面が増えてきた」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか?特に親と離れて暮らしている方は、そばで見守ることができないため、どのようにサポートするか悩むことも多いと思います。

高齢者が自立して不便なく生活できる住環境を整えるために、助けとなるのが「ユニバーサルデザイン」です。ユニバーサルデザインとは、障がいの有無や年齢等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう、あらかじめデザインする考え方のことです。この考え方に基づいた製品は、高齢者にとっても使いやすく安心して生活することにつながります。

今回の記事では、ユニバーサルデザインとは何かや、ユニバーサルデザインを高齢者の暮らしに取り入れるメリット、具体的なユニバーサルデザインの製品を紹介します。

知っているようで知らない「ユニバーサルデザイン」

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインの「ユニバーサル」という言葉には「すべてに共通であるさま」「普遍的」という意味があります。つまり、障がいの有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう設計するという考え方を、ユニバーサルデザインといいます。

ユニバーサルデザインの有名な例として、凹凸の印をつけたシャンプー容器があります。髪を洗うとき、シャンプーとリンスのボトルを間違えてしまったことはありませんか?

ユニバーサルデザインのシャンプーには凹凸が付いているため、指で触るだけでシャンプーのボトルだとわかります。これは、目の不自由な人だけではなく、目をつむったまま髪を洗う誰もが使いやすいように開発されたデザインです。

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインには、7つの原則があります。ユニバーサルデザインは、7原則すべてではなく、いずれかの原則を取り入れて設計されています。

  1. 誰でも公平に利用できること(公平性)
  2. 使う上で自由度が高いこと(自由性・柔軟性)
  3. 使い方が簡単ですぐわかること(単純性)
  4. 必要な情報がすぐに理解できること(わかりやすさ)
  5. うっかりミスや危険につながらないデザインであること(安全性)
  6. 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること(省体力)
  7. アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること(スペースの確保)

これらの原則を満たした製品を使うことで、高齢者を含むすべての人が使いやすさを得ることができます。

ユニバーサルデザインとバリアフリーとの違い

ユニバーサルデザインと混同しやすい言葉に、バリアフリーがあります。バリアフリーは、高齢者や障がいのある人が生活をしていく上での障壁(バリア)となるものを除去するという意味で用いられます。

一方、ユニバーサルデザインは、障がいの有無に関わらず、はじめからすべての人々が利用しやすいよう設計することを目指しています。バリアフリーが、障壁を除去するという引き算の考え方に基づくのに対し、ユニバーサルデザインは、誰もが使いやすいようあらかじめデザインしておくという足し算の考え方を持っています。

このような、高齢者を含め誰にとっても優しい環境づくりの大切さは、広く認識されるようになり生活の中に浸透してきているのです。

「自分でできる」を増やす!ユニバーサルデザインを導入するメリット

遠距離介護の状態となり、親の状況を把握するのが難しい場合にも、ユニバーサルデザインの製品を活用することで、あらかじめ生活環境を整えておくことができます。ユニバーサルデザインの製品を高齢者の生活に取り入れるメリットを2つご紹介します。

1.高齢者と介護者双方の負担軽減

高齢になり身体機能が低下してきた方も、ユニバーサルデザインの安全性や省体力といった特徴を持つ製品を使うことで生活しやすくなります。たとえば、ハンドルを握らなくても、ハンドルを上から抑えるだけで使えるハサミが製品化されています。握力が低下すると使いにくい文房具も、ユニバーサルデザインの製品であれば安全かつ少ない力で使用できる場合がたくさんあります。

高齢者が自分でできることが増えると、必然的に介護者の負担も少なくなります。ユニバーサルデザインの製品は誰もが使いやすいよう配慮されているので、使い手によって特別な調整を行うストレスもなく、家族全員が利用できることもメリットです。

2.生活意欲向上による介護予防

高齢になり、認知機能や身体機能が低下すると、今まで通りの生活が難しくなる場面が増えていきます。その積み重ねで自信や生活意欲が低下し、要支援・要介護状態の進行につながる恐れがあるのです。ユニバーサルデザインの製品には高齢者にも使いやすい工夫がされているので、「自分でできる」という実感が生活意欲をもたらします。

また、ユニバーサルデザインは、はじめからすべての人々が利用しやすいように作られています。健康状態や生活能力に変化があっても使い続けることができるため、長期的に暮らしに役立てることができます。

ユニバーサルデザインで高齢者の生活をサポートする、アイデア満載の製品

高齢者の生活に役立つ数多くのユニバーサルデザインの中から、今回は食事、入浴、家事の場面で活用できる製品を紹介します。

食事をサポートするユニバーサルデザイン

・持ちやすい食器
普段私たちが何気なく使っている食器は、高齢者にとって使いづらいこともあります。ユニバーサルデザインの食器には、持ちやすさ、すくいやすさなどの、誰もが食べやすくなる工夫がされています。

たとえば、手で支えやすいようにフチが幅広に設計されていたり、すくいやすいよう角度や形状が工夫されていたりと、自然と食事がしやすくなるようサポートしてくれます。

・握りやすいスプーン、フォーク、箸
手の機能が低下し、箸が持てないといった場合には、持ち手部分が太くなっていたり、ホルダーがついていたりする握りやすくて滑りにくいスプーンやフォークが役立ちます。

一方で、茶碗のご飯や和食をスプーンで食べることに違和感を感じる方もいます。手が動かしにくくても使いやすいよう2本がジョイントされたトング型の箸も選択肢の一つとなるでしょう。手に収まりやすい形状になっていて、ピンセットのように箸先が必ず合うような工夫も施されています。

入浴をサポートするユニバーサルデザイン

・滑り止めバスマット
高齢者が不安を感じやすい浴室での転倒対策に役立つのが、滑り止めのバスマットです。浴槽内にも敷くことができるよう、素材や形状が工夫されています。小さな子どもや現役世代の方にも安心をもたらすユニバーサルデザインです。

・握りやすいタオル
身体機能の低下により体が洗いづらいと感じる場合には、ユニバーサルデザインのタオルがサポートになります。握りやすいようタオルの両端に輪がついており、手の届きにくい背中や足が楽に洗えるようデザインされています。

・着替えやすい衣服
手の機能が低下するとボタンが留めにくくなるため、代わりにマジックテープやファスナーを採用するなどの工夫が、ユニバーサルデザインの衣服には取り入れられています。ほかにも、表裏と前後のないアンダーウェアなども、着替えのサポートに効果的です。

高齢になると、体力を消耗する入浴を敬遠することが多くなります。そもそも家族に入浴介助を求めづらかったり、介助をする側の負担も大きかったりすることもあります。ぜひ、ユニバーサルデザインを取り入れてみてはいかがでしょう。

家事をサポートするユニバーサルデザイン

・つまみやすい洗濯バサミ
つまみやすい形状になっていて、軽い力でつまめたり、片手のみで干せたりする洗濯ばさみもあります。また、洗濯ばさみから洗濯物がワンタッチで外れるよう工夫されたピンチハンガーもあります。

・プッシュタイプの洗濯洗剤
洗濯洗剤を容器の蓋などで計量しなくても、片手でプッシュするだけで投入する洗剤の調整ができます。工夫が詰まった誰でも使いやすいボトルです。

・ハンドルのついた包丁
持ち手がドーナツ状になっていたり、持ち手の角度を使う人によって調整したりできるなど、力の伝わりやすさを考えた製品です。

・ボトルオープナー
ボトルオープナーは、さまざま缶やペットボトルの蓋などを少ない力でも開けられるように作られています。高齢者だけでなく、握力の弱い子どもや家族にも役立ちます。

このほかにも、豊富な種類の調理器具が流通しており、使用者の安全性と使いやすさを叶える設計が施されています。

・使い方をサポートしてくれる家電
大きなボタンや分かりやすいディスプレイや音声ガイド機能、光って知らせる機能などの特徴が、家電の操作をサポートしてくれます。このようなユニバーサルデザインの製品を選択すれば、認知機能の低下があっても長期的に使いやすい傾向があります。

ユニバーサルデザインの製品を使うことで自分で洗濯をしたり、日常的に料理を作ったりなど、高齢になっても家事を続けやすくなることで、体力維持や生きがいの創出につながります。

ユニバーサルデザインの考え方は、高齢の親の生活環境を整えるときの指標として役立ちます。今回紹介した以外にも、ユニバーサルデザインの製品は数多くあります。高齢者にも使いやすい優れた製品の力を借りて、少しでも介護に余裕を生み出していきましょう。

一度に環境を整えようとすると、導入コストが大きくなります。ご本人や日頃から親の介護に関わる介護の専門家とコミュニケーションをとりながら、どのような製品を生活に取り入れるか検討し、親が暮らしやすいと感じる方法を見つけていきましょう。

介護保険でカバーしきれない病院付き添いや単身で暮らす親御さんの見守り、介護相談などを行っています。

家族に代わって親御さんや親戚の介護をできる人を探している方、遠距離のため思うような介護ができないとお悩みの方、ぜひ私たちまでご相談ください。

「わたしの看護師さん」は、東京・愛知・大阪・兵庫・鳥取・島根・広島・長崎など各地に拠点があります。お気軽にお問合せください。

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