脱水は怖いよ② ~誰のための水分制限?~

暑さ寒さは彼岸まで…。日中はダウンコートも手放せるような季節になりましたね。

暖かくなると水分も摂取しやすくなります。
水分を多めに取る習慣をつけて、これからの時期を元気に過ごしていきたいものです。
と、言う事で前回宣言をいたしました、「脱水」特集を続けて掲載するという事。
ようやく第2弾です。
高齢者は以下のような理由で脱水症になりやすいといわれています。

① 身体の水分量が減る

人間は身体の約60%が水分だといわれています。

この水分は主に筋肉に蓄えられています。

年をとると、筋肉量が減るとともに、体内の水分量も失われます。

一般的には、高齢者の身体の水分量は、若い頃に比べると約10%減り、約50%だといわれています。

つまり、身体の中の水分量が少なくなるため、
若い頃より脱水症になりやすくなるというわけです。

② 腎臓の機能が低下する

腎臓は食べ物などを消化した後に残った毒素や老廃物を尿と一緒に排出する機能を持っています。
ところが、年をとるとこの腎臓の機能が低下します。

そのため、老廃物を排出するためにはより多くの尿量が必要になり、身体の水分も失われやすくなります。

③ 感覚機能が低下する

脳の視床下部という場所には、喉の渇きを感じる「口渇中枢」があります。

加齢とともに口渇中枢の機能が下がり、体液が減少しても喉の渇きを自覚しにくくなります。

「喉が渇いていない」のではなく、「渇いているのがわからない」から、水分摂取が遅れがちになってしまうのです。

高齢者と共に生活されている方、思い出してみてください。

高齢者自身から「喉が渇いた」「お茶を飲みたい」と言うことが少ないと感じませんか。

そのため、介護する人が意識して水分摂取を促さないと、脱水になってしまう可能性が高くなります。

④ 利尿剤の影響

高齢者は代謝機能が低下しているため、薬物の影響を受けやすくなります。

特に、慢性心不全や高血圧の治療薬として使用される利尿剤の投与に関しては、血圧を下げ、心臓の負担を減らすために、尿を増やす利尿効果を持つものがあります。

これらの治療薬を使用すると尿の量が増え、体液を失いやすくなります。

⑤ 全体的な食事量が不足する

飲み物だけではなく、食べ物からも1日の水分と電解質を摂取しています。

加齢で食が細くなったり、食べ物を飲み込む「嚥下機能」が低下したりすると、全体的な食事量が減り、水分と電解質が不足しやすくなります。

高齢者の場合、精神的なストレスでも食欲が低下しやすいため、要注意です。

⑥ トイレに行く回数を減らしたいから、水分を摂らない

高齢者本人が夜間などに頻繁にトイレに行くことを嫌がったり、介護者に気を使ったりした結果、水分摂取を制限すると脱水症に陥りやすくなります。

介護者自身が水分摂取をコントロールしているという話を聞いたこともあります。

⑦ 高浸透圧食品の摂取で相対的に水分量が不足する

食事量が減少しやすい高齢者には、不足したエネルギーを補うために経腸栄養剤などを用いるケースが多くあります。

経腸栄養剤は体液よりも濃度が濃い(浸透圧が高い)ので、体液の濃度を保つために相対的な水分不足が起こります。

特に介護の現場では ⑥トイレに行く回数を減らすために、あえて水分を取らない 

ケースを見かけることが多い です。

介護者に迷惑を掛けたくないから、

ご自身が痛い足腰を引きずってトイレに移動するのが辛いから…。

切実な悩みですが、もし、脱水になり、脳梗塞や心筋梗塞を患った場合の事を想像してみてください。

今予防した生活を送って頂く方が、やはり、この先幸せではないかと思うのです。

毎日ケアに入らせて頂くお宅があります。

尿取りパッドの中にどれだけの排尿があるか、回数、体温、意識レベル等々

細かく観察しています。

それは、脱水状況を把握し、二次的疾患を起こさせないためのものです。

同じ在宅介護でも、思い病気を抱えられた方がご本人やご家族のご負担は多くなりますから…。

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