介護事業を6年経営していますと、沢山の高齢者と色んな環境下に置かれた家族に会います。
血縁関係の家族はありながらも、天涯孤独のような老後を送っていらっしゃる方。
実のお子さんだと思えるくらいに、義理の親を大事に介護していらっしゃるお嫁さん。
親の介護のために仕事を辞めて、単身Uターンする息子さん。
日本と海外という、究極の遠距離介護をしているご家族。
多様な環境と価値観がある中でも、
国民の7割近くが人生の最期は自宅で過ごしたいと思っています。
【最期を迎えたい場所】
【自宅で終末期を迎えることを希望した理由】
ここで興味深い項目は、
「最期まで自分らしく好きなように過ごしたいから」
「家族等との時間を多くしたいから」
この2つにおいて、医師、看護師、介護職員の数値が一般国民に比べて圧倒的に高いということです。
恐らく、入院患者や入居者をみている医療介護職者にとって、今の現場で不足しているところがこの2項目であると感じていると思われます。
【自宅以外で治療・療養を受けること、または最期を迎えることを希望した理由】
ここで目立つのが「介護してくれる家族等に負担がかかるから」という数値です。
言い換えますと、介護してくれる家族等に心身的な負担がかからないように、
介護サービスや家事代行サービス、介護をする家族等にカウンセリングなどの息抜きの場があれば、自宅で療養生活や最期を迎えたいと考えることができます。
また、「症状が急に悪くなったときの対応に自分も家族等も不安だから」という項目に対して、
医療従事者がすぐに駆け付けられるような体制、
もしくは事前にご本人やご家族に症状がどのように変化していくかなどの情報提供をしていれば不安が軽減されると思いました。
【最期を迎える場所を考える上で重要だと思うことについて】
一般国民と医療介護者の意見において格差がある項目について考えてみたいと思います。
特に目立つのが「自分らしくいられること」最大で30.1という開きがあります。
次に「人間としての尊厳を保てること」29.6。
「家族等との十分な時間を過ごせること」22.7。
この意見の格差から想像すると、
社会的役割が入院や施設入居後に失われ、その人らしい生活が継続し難いと感じながら業務に対応しているものと思われます。
私たちが出会う高齢者のほとんどは終末期や介護が重度化した状態で、自宅で過ごしている人は1割もいません。
その理由を先ほどの意識調査からえられたデータを基に考えますと、核家族化、介護者の高齢化など、介護のマンパワー不足が想像できます。
世代を超えた家族の交流が希薄になっている上に、介護に対する意識が変わってきていると感じています。
〔「わたしの看護師さん」ブログ 「誰もが『人生最後の家族孝行』として介護に向き合える社会へ」より〕
時代や育ってきた家庭によって、介護に対する価値観が異なったり、後天的な経験により死生観も個々に違ってきます。
多様な生き方が認められる現代になったからこそ、
自分の介護の価値観を一方的に家族に求めるのではなく、
個々の思いを言葉にして話し合う機会を持つことが大事です。
それから、望む介護のカタチに歩み寄るのか、多大な期待をすることを諦めるのか考えていきましょう。
自分基準で家族に要求しても、なかなか応えてはくれません。
それは、住んでいる距離が離れていたり、生活時間帯が違っていたり、そもそもの価値観が異なっていたり、理由は様々ですが、
今までの家族関係が、老後生活の安定に大きく比例すると感じています。
介護とは最後の親孝行と位置付けるとすれば、
家族に負担が無く、わだかまりなどを残さないような環境を整備する必要があります。
「わたしの看護師さん」は良好な家族関係を維持させることを最大のミッションと考え、ご家族と共に作り上げる介護を創造していきます。
サービス内容のお問い合わせはもちろんのこと、介護相談もお気軽にお問い合わせください。
出所:人生の最終段階における医療に関する意識調査 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会-平成30年
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