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自己肯定の喪失は介護うつの始まり。心に余裕を持った介護を

みなさんは介護をする中での悩みなどを一人で抱え込んでいませんか?

心に余裕をもって親や大切な人と向き合えていますか?

介護をする中で誰しもが愛情だけで関われているわけではないでしょう。他にする人がいなかったから、頼られて断われなかったから、様々な事情を抱えていたり、想いや葛藤、ネガティブな感情を、だれにも相談できずにため込んでしまうと鬱になってしまうことがあります。

そういった事態を避けるためにはどうすればいいのか、いのちの現場のハピネスオフィサー多賀 久子さんをゲストにお呼びし、これまでの経験からどうすれば心に余裕をもって介護ができるのか、お話を伺いました。

「しんどい」が許されないと思い込んでしまう

多賀:うちは遠距離介護ですが、祖母の介護は母が面倒を見ているのでほとんどノータッチ。「自分でできる」という母の意思を尊重してきました。祖母は103歳まで生きましたが、母の介護のセンスがよかったんでしょうね。

専門家への頼り方がうまかったんですよ。ショートステイやデイサービスなどを使って自分の時間を作っていました。そうやって他の人やサービスに頼ったりして自分の時間を作っていたんですね。

それでも、母親から愚痴も出てきました。祖母の認知症が進んたり、耳や目も悪くなってうまくコミュニケーションがうまく取れないことが辛かったそうです。

もともと祖母と母は母子家庭で、必ずしも良好な関係ではなく、母は祖母の介護を愛だけで行っていた訳ではありませんでした。自分が介護をしなければならなくなって、葛藤を抱えつつも、自分の気持ちと向き合って介護をしていたんだと思います。自分は良い娘でなければいけないと、全て自分が背負わないといけないんだと。ただ、そんな自分を否定せずにちゃんと受け止めて、それをまわりに伝えながら、まわりから助けてもらいながらやってきたそうです。そういったことが、介護のコツなのではないかと思います。

神戸:本当にそうですよね。私もご家族の方のお話を伺うと、そういう親子関係をみたり聞いたりしてきました。

例えば、今でいう毒親だったから縁を切りたかったのに、気づいたら目の前に弱った親がいて、どうしたらいいかと戸惑いながら介護をして、親との関係が続いていくという。こういったケースは案外多いんですよね。医療現場の介護士さんやスタッフさんといったまわりの人たちへは「良い子どもでないといけない」と振る舞うことがあるんですよ。「無理なことは無理だからね、できないことがあったらよろしく」という風に向き合うことが大切だと思います。

余裕を持つことで自分を追い込まない

多賀:母も2.30年前くらいに癌を患って、それまでは9割は父のため、残りは子どものためで、自分のことは後回しだったんですよね。けれど、癌が治ってからは、生まれ変わったかのように自分の為に生きるようになったんです。まわりの人のために生きる人生から、自分の人生を生きるということで、母は何が大切なのかを自分で見出したのだと思います。

神戸:今、介護は、加齢がすすんでいて、介護する家族の年齢も60代だったりするわけです。

人によっては70代の方が100歳の親御さんを介護する人もいて、介護する人自身が何らかの持病をかかえていたり、残りの20年、どう過ごそうかって。そういったことを考えながら介護と向き合う方もいらっしゃるんですよね。

親の介護に区切りがついて、さあ自分のことをしようと思っても、今度は自分が病気になったり、パートナーのお世話だったりと問題が現れてくるんです。

多賀:自分の心の状態を保てるかが重要なんでが、相手を大切にするあまり、自分のことを置き去りにしてしまうんですよね。

そのためにも、自分との対話が大切ってことを伝えたいです。自宅で介護をされている人にも通じるのですが、誰かが犠牲になるんじゃなくて、どこかに改善の糸口があるはずだと思っているので、そこで自分の心をどうみてあげられるかが自己肯定感につながっていくのかなと思います。

神戸:そうですね。改めて、自分の心の動きを見てあげて欲しいです。体力を消耗する介護をしてしまうと心も疲れてしまいますし、まわりに助けを求めたり、ショートステイなどを使って心に余裕を持つことが大切ですね。

プライドと自己肯定感

多賀:ところで、神戸さんは自己肯定感ってなんだと思いますか?

神戸:今までよく言われるのが、自分を認める、愛する、自分を否定しないことが自己肯定感を作るうえで大切だと思っていました。

多賀:私も心の勉強をする前は、自己肯定感が低かったんですよ。以前、同僚に「多賀さんってよく存在価値って言葉使いますよね」と言われて、その時の私は条件付きでしか人から認めてもらえないと思いながら人生を歩んでいて、自分のことを認められないがゆえにプライドが高くなっていたと気づきました。

うまくいってる風、幸せ風を装って、自分を守るために自分に無理をさせていくわけですよ。でも、振る舞っている自分と現実のバランスはとても生きづらくなるものでした。

神戸:医療現場だけではなく、50代や60代の男性の方々は、30年前はまさか自分が介護をすると思ってなくて、いざそうなったときにパートナーに頼ろうとしたら、向こうの親の介護もあって無理だったりする。自分で抱え込んでしまってまわりに相談できない方も多いんですよね。

多賀:他人に相談できないんですよね。無理だとも言えないし、評価されたくてダメな娘と思われたくなかったり、本当は限界なんだけどダメなお嫁さんって思われたくなかったりして、一人で考え込んでしまうんです。そうやってどんどん自分を責めてしまうと、心が壊れてしまいかねません。うまく伝わらなかったり、できないことがあったとしても、努力している自分を自分で認めてあげれるようにしてほしいです。

周りを頼り、自分を表現することが何よりも大切 

神戸:介護をしている方のまわりにいる、お孫さんや親戚家族はどう関わるといいでしょうか?

多賀:まずは見守ってあげたり、愚痴や悩みを吐きださせてあげる。良い悪いを言うのではなくて、それぞれの思いを受け止めて、「お母さんはそう感じたんだ」、と肯定してあげたり、そこにプラス労いの言葉で、「自分たちも気にしてるよ、一人じゃないよ」という声をかけてあげること、悩みに気づいてあげるのが大切だと思います。

一生懸命していることに○×をつけるのはもったいないから、してることそのものを認めてあげて、今の瞬間を宝物にできればいいなって思います。

神戸:なるほど。それでは、実際に介護をしている方はいかがですか?

多賀:実際に今、介護で苦しんでいる人は、自己肯定感を上げようとしても難しいですよね。心はいろんな経験を経て出来上がっているものですから。いきなり変えるのは難しいので、今自分がしていることを認めてあげて、自分の感情を否定せずに受け止めてあげることが必要だと思います。

自分を認めることも必要で、自己肯定も大事ですが、自己受容することで、自分の感情を消化したり、もやもやとした感情が小さくなっていくんですよ。

自分と対話して関わっていく、自己否定も自己肯定感の低い自分も認めてあげることが心に余裕を持つうえで重要です。私の母親も祖母のことを「憎たらしいわ!」っていいながら介護していましたので、自分だけで抱え込まずにまわりの人や私たち専門家に頼ってくださいね。

神戸:今は少子化で、一人のお子さんが複数人の介護をしなければいけない時代です。本当にいろんな人に頼っていく事が重要ですね。多賀さんありがとうございました。

この記事の内容は、Youtube配信をもとに記事化しています。
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