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親の介護について兄弟姉妹で話し合ったことはありますか?話し合いの事例とポイント

みなさんは“介護”と聞いてどのようなイメージを持っていますか?

「大事なことだけれどよくわからない」と、興味はあるけど今までなかなか向き合う機会が無かったという人も多いのではないでしょうか。

自分自身や家族が介護を受けている人もいれば、まだ馴染みは無いものの、テレビやネットなどで介護にまつわる情報に触れたことがある人もいると思います。

ですが「親の介護」となると、「自分の自由が無くなる」「兄弟喧嘩の原因になる」など、悪いイメージで語られることも少なくありません。

確かに、介護は大変なことも多いです。それでも、誰もが関わりうる可能性があるからこそ、事前にしっかりと家族間で話し合うことが大切です。

今回は「親の介護」について、特に兄弟姉妹で話し合いをする重要性、そして話し合いの進め方についてご紹介したいと思います。前回の記事では「実際に親と人生会議をする方法」についてご紹介させていただきました。こちらもぜひご覧ください。
「親の介護」について家族と話し合う、事例と話し合いのポイント

古い風習は通用しない?令和時代の新しい介護

昔は、家を相続する長男が親と一緒に住み、長男の妻が親の介護を引き受けるケースが大半でした。今では、親と子が別々の場所で離れて暮らす家族形態、いわゆる核家族が増え、親は地方に、自分は都心部で働きながら「遠距離介護をする」人の割合も増えつつあります。

ですが、昔からの価値観は未だに残っていて「親の介護は長男の妻がするべきだ」という考えを持っているご家庭があるのも事実です。

ただ、「親の介護は長男の妻がするべき」といった「こうあるべき」という考え方は、これだけ家族形態が変わりゆく中で、もはや決して「当たり前のこと」ではないのではないでしょうか。

介護を一人で担うのは本当に大変なことです。また、自分がやりたくないからと一方的に他の人に押し付けることは、相手に大きな負担をかけたり、トラブルの原因になりかねません。

それを防ぐためにも、親の介護について、兄弟姉妹で“もしもの話”をしておくと良いでしょう。事前に話し合いをすることで、兄弟姉妹たちにも準備ができたり、心構えができます。そうすることで、いざという時にトラブルを回避でき、スムーズに介護が始められるのです。

起こりうるトラブルの事例

兄弟姉妹間に多い介護をめぐるトラブルとはどのような事例があるのでしょうか。

①だれが介護を担うのか
兄弟姉妹のそれぞれが別々に生活している場合、「仕事が忙しい」、「育児で忙しい」などの理由から、親を介護する時間的余裕はないと互いに言い合い、誰も積極的に介護を引き受けようとしないことがあります。

②優しさが引き起こす自己犠牲と憤り
「親の介護をしなくてはいけない!」と一生懸命に介護をしたり、話し合うのが面倒で「だったら私がやるよ」と軽い気持ちで引き受けてしまう場合が考えられます。このように使命感を感じて介護を自分がやると決めたものの、想像していた何倍も大変だと後々気づく人もいます。そうした思いを抱えながら長く続く自己犠牲の果てに「なぜ、兄弟はなにもやらないの!自分だけなんてうんざりだ!」と怒りが爆発してしまうことがあります。

③お金の揉めごと
介護はお金もかかるものです。介護に伴う費用の負担割合を理由に、兄弟姉妹間で揉めてしまうことがあります。
特に、介護費用を負担することから逃げるために「子供の学費がかかるから」、「住宅ローンが残っているから」などを理由にあげ、兄弟姉妹が不信感や嫌悪感を抱いてしまうことも少なくありません。そのほか、「相続はどうするか」といった親の遺産をめぐるトラブルが生じてしまうケースもよくあります。

トラブル回避の方法

こうしたトラブルを回避するためには、兄弟姉妹間で日ごろから親の介護について話し合っておく必要があります。また、「介護に伴う費用をどうするか?」「親のお金をどう使うか?」「相続時にはどうするか?」など、お金のことはできるだけオープンに話し合うことも大切です。

ここでは、具体的にどうすればよいのかをいくつかに分けて紹介していきたいと思います。

・最初は雑談感覚であっさりめに
親がまだ元気なのに「介護の話をしよう」といきなり持ちかけても、何から話していいのか分からなかったり、戸惑ってしまうでしょう。そこでまずは、近所のカフェやファミレスなどでお互いの近況を報告し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

お互い仕事が忙しくしばらく会っていなかったり、普段はあまり話さないといった人でもたまには・・・と案外話が弾むかもしれません。

また、話し始めてからある程度落ち着いたタイミングで、「最近お母さんどうしているかな?」、「親父は元気にしてるかな?」といった自分たちの親について話を振ってみると、これから話したい介護のことにスムーズにつなげていけるでしょう。兄弟姉妹内で雑談を重ねながら、徐々に自分たちが話せる範囲で介護の話にシフトしていければよいのです。

・話しておきたいこと
話し合う上で、「いったい、何を話したらいいんだ」と迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、これだけは話しておきたいというポイントをを考えてみます。

・自分の自由になる時間
・なんとか出せそうなお金の金額
・親の預貯金はどのくらいか、それで介護費は賄えそうか
・親のかかりつけ医や、親の現在の健康状態について


時間やお金、どれも捻出したくないのが本音かもしれませんが、どうしても、となったときのことを想像して、お互いに具体的な数字を出してみましょう。また、親に直接聞かないと分からないことについては、誰がどの内容について聞いてみるのか、さりげなく聞いてみる方法など作戦会議をするとよいでしょう。

なお、これらの話をするにあたってお互いのパートナーを同席させることは基本的に無いようにしましょう。特に男性の場合は、「自分は仕事で忙しいから妻に介護をやってもらう」といった他人任せなことを言いかねません。そのため、自分たちの親の介護の話は、兄弟姉妹だけで話し合うということを念頭に話し合いを進めることが大切です。

実際に話し合ってみた

事例や方法をまとめるだけではまだまだイメージがつきにくい方も多いと思います。そこで、弊社の学生スタッフが実際に妹と話し合ってみた内容を紹介したいと思います。

私:大学二年生男子、妹:高校二年生女子

私:「おー、最近学校どう?あと、ママとパパ元気そう?」

妹:「ん―、まあぼちぼちかな。二年なって勉強難しなってきて大変やでほんと。元気そうやで~、ただ二人とも仕事のせいで毎日忙しそうにしてるかな」

私:「そうかー、元気なのは何よりやけど、みんなたまにはゆっくりしてほしいな!今度帰省するときにはケーキでも買っていくわ(笑)」

妹:「そうして(笑)。 特にママはモンブラン好きやし絶対喜ぶと思う!」

私:「おっけ~い!ところで、今日はな、今までしたことないと思うんやけど、ちょっとママとパパの将来について話しておきたいことがあるんよ」

妹:「どういうこと?確かに今まで話したことないけど。先のことやし、今まで意識したこともなかったわ・・・。どういうこと話したらいいん?」

私:「じゃあまずは、ママとパパが病気になったりして介護が必要になったらどうしたい?例えば、自分たちでできるだけしたいとか、施設に入居させる方がいいとか」

妹:「うーん、やっぱりそれはママとパパの意見を尊重したほうがいいんちゃう?それに、その時になってみて私たちでできそうやったらできる限りのことはやりたいけど、大変そうやったら施設に入ってもらう方が安心かも」

私:「なるほどな、確かにその時の状況に合わせるのは大事なことやな。じゃあ、もし介護を自分たちでやるってなったとき、やっぱり時間もお金もかかるし、二人で分担したいって僕は思うんやけどどう思う?」

妹:「それは同じ意見やわ。まあ正直なところ、介護とか大変そうやしやりたくないけど仕方ないよな。でも、大変そうやったらヘルパーさんみたいなのに相談とかできたらするのも候補じゃない?」

私:「それはよかった、確かにいざという時は腹くくらなあかんよな。なるほど、自分らだけでは分からんこともあるやろうし専門家にアドバイスしてもらうのはいい案やな!」

妹:「ほんでも、お金の話って言っても私まだ高校生やし、お兄ちゃんも大学生なんやから詳しことは社会人になって話し合わなよーわからへんわ!」

私:「そうやな、でもこうやって早い目から介護について意識しておくのは大事なことやと思うで?いつ来るかわからんし!でも、現実味が湧きにくいのはわかる。他にも、相続の時にどうするって話とかも大事なことやと思うで。多分まだ高校生やったらよー分からんと思うし、今後も介護とかについてはちょくちょく話し合ったほうがええよな」

妹:「うんうん、この歳で介護について話すとか想像もしてなかったけど、ちゃんと共有しときたいことももっとありそうやなって思ったわ。こういう機会くれてなんかありがとう!介護とか重そうなイメージやったけど一回話してしまえばまた気軽に話し合えそうな気がする」

私:「おー、そういってもらえると嬉しいな。また、これからもちょいちょい話していこ!」

妹:「はーい!」

このように話し合ってみて、年齢的にイメージしずらいこともありましたが、話し合うことで介護に対する重いイメージが払拭されたり、話し合うことの重要性を共有できたことは非常にいい経験になったそうです。

兄弟姉妹で親の介護について話し合う上でのポイント

ここでは、話し合いで伝えておきたいことや、上手に話し合うために意識したいポイントを紹介します。

・「誰が介護するか」を決めるのではなく、「兄弟姉妹がどう役割分担するか」を話し合うようにする。

・事前に兄弟姉妹同士で話し合っておくことで、負担の重さが理解でき、助け合いの気持ちが強まることが望ましい。

・親の年金や預貯金、兄弟姉妹でどれだけの負担ができるかなど、介護の資金計画を立てるようにする。

・介護にかかるお金は親の資産内で支払うことが原則であることを確認する。その上で、賄いきれない分は兄弟姉妹で分担して介護費用を支払うことを理解する。

兄弟姉妹で費用分担を決めても、コロナで給料が下がったり、教育費がかさむなど、家計の状況は変わりやすものです。そのため、負担額の確定はかえって言い争いの元になりかねません。それを防ぐためにも、分担の約束は当面の期間にして、見直す余地を残しておくのも大切です。

いかがだったでしょうか?

今回紹介したように、自分たちの親の将来について兄弟姉妹で話し合うことはとても大切なことです。実際に話し合うことで、お互いが親についてどう考えているのかを知ることができたり、もしもの時に「あの時、話し合ったことあったよね」と冷静に行動することができます。

また、何度も言うように介護は突然やってくるものです。こればかりは誰も予想できません。そのため、いざという時に協力し合えるように、早め早めに準備しておくことで、安心して介護を受け入れらると思います。

この記事をきっかけに少しでも多くの人が兄弟姉妹と介護の話をし、計画的な介護が実現できることを願っています。

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