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「帰省できない」コロナ禍で、遠距離介護をあきらめない方法 |コロナ禍の遠距離介護

「遠距離介護をしているけど、この夏は帰省できない」

お盆を目前に、介護が必要な両親が地方で暮らしている遠距離介護をしている人にとって、苦しい判断が迫られています。お盆などの長期休暇を利用した帰省は、「病院へ付き添い、今後の治療方針を先生と相談する」「毎年欠かさないお墓参りにいく」「体の調子が悪い親に代わって、家の掃除や片づけをする」など、家族にしかできない介護をするための機会としていた人も多いのではないでしょうか。

けれど、新型コロナウィルスの感染が広がり、お盆の帰省は高齢者に感染が広がる可能性があるため“十分に注意が必要”との認識を国も示しています。

“高齢者いる実家へ帰省”慎重に~西村大臣(日テレNEWS24)

この時期に「帰省できない理由」は、大きく4つあるようです。

①自分自身の職場が県外への外出を禁止・制限している

医療・福祉機関へ勤務している方などは、県外移動後に2週間の自宅待機が必要なため、シフトに穴を空けるわけにもいかず、県外への外出を禁止・制限している。

②感染予防
都心部を中心に感染の多いエリアから地方へ移動し、親をはじめリスクの高い高齢者への感染させることを心配し、自粛するケース。

③周囲の目
地方ほど県外来訪者へのまなざしが厳しく、親の立場からも苦渋の決断で「帰ってくるな」と言われるケース。

④病院・施設側が県外者との面会を禁止
感染対策の観点から、例え親族であっても県外者との面会を制限・禁止している病院・施設は大半です。在宅介護の場合も、県外者と接触したために「2週間訪問介護サービスを利用できなくなった」という話も聞きます。

在宅とはいえ認知症が進行していると、定期的に薬が飲めない、自力でお風呂に入れない、エアコンの調整が出来ないなど、生死に関わるリスクもあります。(※県外から帰省する際には、事前に担当のケアマネージャーとの相談をおすすめします)

 

以上4つの理由によって、親の介護が必要なのに帰省できない。八方塞がりの状況にどうしたらいいか、頭を抱えている人も多いはずです。

でも、どうするか決めないわけにもいきません。「移動が制限される可能性がある」と分かった今こそ、「遠距離介護の方法」を考え直すときです。

鳥取県で介護保険適用外サービス「わたしの看護婦さん」や「遠距離介護支援協会」を立ち上げ6年以上、遠距離介護をする人たちに寄り添ってきた経験から、どのようなケースで困るのか、「帰省できない」状況をどのように乗り切ればいいのか?その方法について解説していきます。

あなただけではない。10人に1人が遠距離介護をしている時代。

親を地方に残し、都心で働いている。そのような状況に後ろめたさやもどかしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、介護をしている人の12.2%、実に10人に1人以上が遠距離介護をしている時代です。

この状況は、あなただけが抱えている問題ではありません。決して自分たちを非難せず、家族だけで抱え込まないようにしてください。

介護は“チーム”で行うもの

そして、大切な前提としてお伝えしたいのが「介護はチームで行うもの」ということです。親の介護は家族だけが抱えるのではなく、介護が必要な親を中心としたチームが行うものなのです。

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介護離職や高齢者への虐待防止に取り組むNPO法人となりのかいご川内さんは、著書の中で“介護の本質はチームマネジメントにあり”と述べています。

介護には、それを専門とするプロフェッショナルたちがいます。帰れない、すぐ駆けつけられない事がわかったのであれば、「家族がするもの」ではなく「家族が身近にいなくてもなんとかなる状態」をつくることが、チームマネジメントを担うあなた自身の役割なのです。

(参考:もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法 |川内 潤 著
(参考:NPO法人となりのかいご

介護保険からこぼれ落ちてしまう、「家族がする介護」

では遠距離介護で困るのは、具体的にどのような状況でしょうか。例えば高齢の親が自宅で過ごしている場合、親の介護度に応じて訪問型、通所型などの介護保険サービスを活用することができます。しかしながら介護保険外としてこぼれ落ちてしまう介護があり、それは「家族がするもの」と考えられています。例えば、

・病院受診への付き添い

・お墓参り、法事などの冠婚葬祭
・選挙や投票への付き添い
・地域行事への参加
・看取り(長時間や連日の場合。また家族の心を支えるケア)
・日用品以外の買い物 ・外食

 

などは介護保険外となるため、お盆の時期に欠かせないお墓参りも基本的には「それはできません」と断られてしまいます。このような介護が必要な際は「家族がするもの」として、都心から駆けつけることが一般的でした。では、いざ「帰省ができない」「しばらく帰ることができない」状況に陥ったとき、遠距離介護をあきらめるしか無いのでしょうか?

少し前に書いたように、介護はチームで行うもの。ケアマネ―ジャーさんと連携し乗り切ったり、介護保険適用外サービスを組み合わせることで、「遠距離介護をあきらめない」方法はあります。

ここからは具体的なケースをもとに、遠距離介護で「困る状況」と「どのように対応するか」を解説します。

ケース1. 80代・癌など複数疾患のある親の病院受診への付き添い

子どもたちは県外在住で80代のお父様を遠距離介護しているケースです。癌の治療に加え複数の疾患があるため、病院の複数科を受診する必要がありますが、自力で病院内の長い廊下を歩くことができません。また、各科の診察内容を取りまとめ家族へ共有するには、高齢のお父様だけでは不安と難しさがあります。

[対応]介護保険の通院介助サービスを利用。あるいは、院内・診察内への付き添いは介護保険適用外サービスを利用

病院内での付き添いには原則、介護保険が適用されません。しかしながら、待ち時間中や複数科の移動に付き添いが必要だとケアマネージャーが判断し、病院側による対応が難しい場合には、介護保険内で訪問介護員(ホームヘルパー)に付き添いをお願いできる場合があります。

ただし、診察室内への付き添い・介助は対応できません。そのため医師へ最近の状況をお父様に代わってお伝えしたり、診察内容や結果をメモに取りご家族へお伝えする…ということはできません。そのような場合には、介護保険適用外(自費)サービスを活用し、細やかなケアをお願いすることも可能です。

 

ケース2. 70代・饒舌だけど体が弱ってきた親に代わって、お盆行事の準備

子どもたちは県外在住で70代のお母様を遠距離介護しているケースです。毎年、お盆の時期は欠かさず帰省し、盆提灯を飾ったり、お団子をつくったり、法事の準備を手伝っていました。ただ今年は、新型コロナウィルスの影響により帰省することができません。近くに頼れる親族はいないものの、お盆のしきたりをとても大切にしているため、自分たちが帰省しなくても自分ひとりで何とかすると言っていますが…体を壊し、なおさら動けなくなるのではないかと心配です。

[対応]介護保険適用外サービスや家事代行など利用

人によっては「生活に欠かせない」ほど大切なお墓参りや法事なども、介護保険の適用にはなりません

そのため、介護・医療のプロが行う介護保険適用外(自費)サービスを活用するか、掃除や洗濯など家事のプロが行う家事代行サービスを活用することが、対応方法の一つとして考えられます。

 

遠距離介護。でも帰省できない!ときに相談・利用する場所

市区町村の高齢者福祉の窓口や地域包括支援センターへ相談する

介護認定を受けていなかったり、まだ介護保険サービスを利用していない、ケアマネ―ジャーがついていない人はまず、市区町村の高齢者福祉の窓口や地域包括支援センターへ相談してみてください。「親御さんの住んでいる市区町村 地域包括支援センター」と検索すれば、担当のセンターが見つかります。

上述のケース1、2のように介護保険の適用外となる介護を相談した際には、介護保険適用外サービスを行う事業者やシルバー人材センター、社会福祉協議会が行う通院介助・家事代行のサービスを紹介してもらえることがあります。

ケアマネージャーへ相談する

既に介護認定を受け介護保険サービスを利用している場合は、担当のケアマネージャーへ相談してみてください。

介護保険の適用外となる場合には、上記と同じように、信頼できる介護保険適用外サービスを行う事業者などを紹介してもらえることがあります。

また、訪問介護をしているヘルパーステーションは、オプションで保険外(自費)サービスをしているケースがあります。ですが、ほとんどの事業者がwebサイトを持っていません。そのため、県外在住者がインターネットを通じて自力で介護保険外サービスを行う事業者を探すよりも、地域の実情を知っているケアマネージャーに話しを聞いたほうが、正しく信頼できる情報にたどり着ける可能性は高くなります。

介護保険適用外のサービスを利用する

病院受診への付き添いやお墓参りなど「介護保険の制度からこぼれ落ちる介護」を支えるのが介護保険適用外サービスの事業者です。しかし、地域包括支援センターや担当のケアマネージャーが地域の事業者を知らない場合もあります。

その際には自力で調べることになりますが、最後に「介護保険適用外サービス」を行う事業者を3つ紹介します。

ニチイライフ

医療、介護、保育サービスなど総合的な生活を支える全国規模の会社である株式会社ニチイ学館が提供する、「ニチイライフ」。介護保険制度からこぼれ落ちる自費介護、それ以外にも育児や家事代行サービスも提供しています。

全国規模の会社であるため、全国47都道府県・94カ所の支店でサービスを展開されています。お住まいのエリアが対象かは、webサイトから確認してみてください。

(参考:ニチイライフ

ダスキンライフケア

お掃除サービスでお馴染みの株式会社ダスキンが展開するのが、「ダスキンライフケア」。介護保険外で、介護が必要な方の生活を支えるサービスを提供しています。

同じく提供エリアは、webサイトから確認してみてください。

(参考:ダスキンライフケア

わたしの看護婦さん

最後に、私たちが提供している「わたしの看護婦さん」は、医療と介護の専門知識を持った専門スタッフ(看護師)が、病院付き添いや見守りなど介護保険外のきめ細かなケアを提供しています。

コロナ禍で帰省が出来ない、面会が出来ない家族に代わって病院付き添いや身の回りのお世話をお願いしたいというお問い合わせも増えています。

詳しくはぜひ、お問い合わせください。

代表TEL:0859−30−4856(平日 9:00〜16:30)
お問い合わせフォームはこちら(24時間受付)

当たり前のように帰省できないことがわかった今こそ、遠距離介護を行う体制を整える絶好の機会です。帰省できないことを理由に仕事を辞めたり、自分に無理を強いる距離感で介護を担うのではなく、どうか「介護は家族がするもの」と抱え込まず、頼ったり、任せることも考えてみてください。

遠距離介護をあきらめることなく、最後まで愛情を注げる介護の時間になることを願っています。

「わたしの看護婦さん」は各地に拠点があります。
東京・伊豆・愛知・岐阜・大阪・鳥取・島根・広島など
お気軽にお問合せください。