わたしの看護婦さん

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医療・福祉の専門知識と家庭経験で支援する、中国地方初の介護保険適用外サービスです。

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QOD 死の質

Category わたしの看護婦さん Date 2015年12月15日
「家に帰らせて!!」

物静かな伯父が荷造りを始め騒いでいる、

止めることができないので迎えに来てほしいと病院から連絡が入った。

丁度、娘の幼稚園ではクリスマス会の準備が忙しく、

私は保護者役員として手伝いをしている時だった。

予後が悪い病魔に取りつかれた伯父は2週間前に緊急入院をしていた。

手術するにも遅すぎる。痛みが出ないように過ごすだけといった状況にあった。

牧師のような伯父が自宅に帰りたいと騒いでいる。

ただ事ではない。

「もしかすると最後の帰宅になるかもしれない」

おかゆとイクラや塩辛しか口にしなくなった伯父に何を準備できるだろうか。

伯父が元気だったころ好んで食べていたお寿司で食卓を囲んだ。

しばらく経ってから、娘が小声で話し始めた。

「伯父さん、感動して泣いているのかな。美味しいもんね。」

その表情を伺うと、それは感動で涙を流しているかのようにも見えたが、

明らかに脳に異変が起きている兆候であった。

身体は大きく右側に傾き始め、私の手を右手で握りしめることも、

呼びかけにも唸ることしかできなくなっていた。

伯父が逝ってしまう・・・。

必死で口の中のものをかき出した。

その異様な光景に娘が震えている。

救急車のサイレンが近づいてきた。

その当時幼稚園だった娘は救急車が無事にたどり着くようにと、

懐中電灯を持って暗闇の林道の中をくぐり抜けて迎えに歩いた。

それから、救急車を追いかけるように車を走らせたことまでは覚えている。

記録的大雪が降り積もる朝を迎えた。

そして、伯父は静かに息を引き取った。

寂しいお別れの時が来たが、

後悔はなかった。

伯父は大好きなお寿司を頬張りながら、倒れていった。

好きな場所で、好きなことをしながらの光景が瞼の奥に届いていた・・・。

先月、西部在宅ケア研究会「がんと地域医療 わたしたちにできること」にスタッフたちと参加してきた。

最近では『QOD』Quality of Death が大切だと言われてきている。

その人が求める最期の迎え方。 そのご家族が求める見送り方。

「わたしの看護婦さん」でも色んな体調や、色んな年齢の方の対応をさせて頂いております。

「医療保険ではカバーできない」 「介護保険ではカバーできない」

そんな部分のお困りごとをお気軽にご相談ください。


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